築80年、住吉の長屋を「碧の家 」に〈リノベーション〉‐1‐プロローグ

築80年、住吉の長屋を「碧の家 」に〈リノベーション〉‐1‐プロローグ

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 大阪市住吉区は、上町台地の西端に位置する。

 海からの玄関口でもあり、早くから多くの人々が居住していた。



 古くからの住人が多く、クライアントはご近所とお互いの家の鍵を持ちあっていたという。

 住吉というくらいだから、やはり住みやすいのだ。

 今回は、昭和10年代に建った四軒長屋の1住戸をフルリノベーションする計画だ。



 まずは内部壁の撤去から工事は始まる。



 この年代の階段の角度はかなり急だ。

 後ろの柱をみると柱2本分、1間(約1.8m)で登りきっていることが分かる。

 私が設計するなら、3mほどかけて登りきるので倍近い勾配となっている。



 1階はLDKと水回り、そして個室が1部屋。



 2階は個室、客間が1部屋ずつとなるのだが、奥の腰窓の外にバルコニーがある。

 ここが洗濯干場となっていたのだがクライアントのお母様は、踏み台を置いて外にでていたそうだ。

 バルコニーは後付けなので、やむを得ないとも言えるが、こういった上下移動の障害がリノベーションの動機になることは多い。

 人は重力には抗えないのだ。



 瓦屋根の下に隠れる空間は、やはり大きく気持ちよい。



 よく見ると、野地板の上には檜皮が敷かれているのか。

 クライアントは、まとまった休みにあちこちと海外へ出掛ける。

 特に北欧が好きだという。その中でも青に惹かれるというのだ。

 青というのは奥行きの深い色だ。この計画が目指すのは「碧(あお)の家」。

 テーマカラーとなった濃い青が随所にちりばめられている。



 設計期間1年8ヶ月。

 この秋には、醸成された「碧(あお)の家」を見てもらうことができると思う。


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