(仮称)トレジャーキッズたかどの保育園‐5‐光という食材
(仮称)トレジャーキッズたかどの保育園‐5‐光という食材
新年が始まったと思っていたら、気が付けば1月も下旬に。
2018年、1回目の現場日記です。

「トレジャーキッズたかどの保育園」は、12月初旬から建て方工事が始まりました。
年末までに、外壁材のALC版搬入工事を終えていました。
ALC版とは軽量気泡コンクリート版のこと。揺れに強く、鉄骨造と相性のよい外壁材です。

現在は屋根工事にはいっており、材をクレーンで搬入中でした。

広い園庭ですが、足場があったり重機が入ったりと、工事中はやはり狭く感じます。

東側道路に一番近い部分は、エントランス、事務室、階段などが集まっています。

そこから西に向かって園児室が3部屋。
1階は0歳から2歳までの園児室の予定です。

園庭をLの字囲むように園児室を配置していますが、曲がり角部にある部屋は、やや採光には不利。
トップライトを採用することにしました。

上階にはコミュニケーションホールがありますが、その一部をアールで切り取り、屋根面から光を落とすことにしたのです。

北向きの屋根部に切ってあるので、常に柔らかい光が安定して落ちてくるはず。
0歳児室となる予定です。

広い園庭からは2階へ直接つながる外部階段があります。

それが2階の外部廊下につながり、全ての園児室前にめぐらせました。

この空間は、床、壁とも木で仕上られ、まさに縁側のような空間となります。

縁側という外部空間を挟んでの光は幾分優しく、また、雨の日でも開口部を開けることができます。
常に安定した光と、風(=新鮮な空気)を取り込む日本人の知恵なのです。
運営会社の株式会社セリオは、園の食事には大変拘っていて、できるだけ昔から日本にあるようなものを目指しているそうです。
答えは、過去の歴史にあることがよくあると私も思うのです。

2階の一番奥は、3、4歳児室となる予定。
この空間は、コミュニケーションホールと可動間仕切で繋がります。
その間仕切りをフルオープンにすると、幅8m、奥行き19mの大空間が生まれます。
お遊戯会、作品展など、色々な催しに使って貰えると思いますが、文字通りそこにコミュニケーションが生まれたなら、これほど嬉しいことはありません。
不利も有利も、材料に変わりありません。
それをどう料理し、幸せな皿とするかが設計の醍醐味なのです。
文責:守谷 昌紀
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記