「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐11‐守谷さんに怒られるデ
(「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐11‐守谷さんに怒られるデ
「中庭のある無垢な珪藻土の家」の撮影でした。
竣工は2017年の3月末なので、1年越しの撮影になりました。
天気がもうひとつで、2度も延期していたのです。

3度目の正直で、青空に恵まれました。

撮影中に、中庭のチューリップが満開になるくらい、気温もぐんぐん上昇。春の陽気となったのです。
この計画のテーマは「不自然でない家」。
「例えばカロリーゼロって不自然じゃないですか」と言われ、心底納得したものです。

外壁は、自然な風合いの塗り壁を選択。

敷地形状、光のとりかた、そして中庭との関係。
全て必然性をもとめ、模索しました。

内部の壁は全て珪藻土塗りです。

自然素材なので当然といえば当然ですが、やはり空間が優しいのです。
床材も、天然の檜を選んでいますが、これはご主人のこだわりです。

2階の子供部屋にも南から光が差しこんできます。
南西角地の長所を存分に引き出したつもりです。
ちなみに、こげ茶の塗装は全てマグネットペイント。こちらは奥さんのセレクト。

午後3時にお子さんが帰宅してから、ご家族にも撮影に参加して貰いました。

熱心にお絵かきをするお姉ちゃん。

一心不乱に、ショベルカーで遊ぶ弟君。
人はこれだけ何か打ち込めるのかと感心します。
弟君は帰ってくるなり、私に向かって「もうショベルカーで壁をガリガリしません!」と宣言してくれました。
どうやら、壁に落書きをしたりするとお姉ちゃんが「そんなことしたら、守谷さんに怒られるデ!」と言ってくれているようです。
どんな役回りでも、覚えてくれていたなら、ただただ嬉しい限りです。

夕景を撮り終えると、夜の7時過ぎになりました。
ご主人は私の著書も購入して下さり、「サインをしておいて下さいね」と。
本当に有り難いことです。

お姉ちゃんは、覚えたての文字でこんな手紙を渡してくれました。
こんな瞬間があると、全てを忘れて笑顔で帰宅できます。
そんな場面に立ち会えるよう、年度末に向かってラストスパートを掛けるのです。
文責:守谷 昌紀
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記