くたびれる者は、役に立たざるなり‐1482‐


くたびれる者は、役に立たざるなり‐1482‐



 昨日は生憎の雨でしたが、土曜日は天気に恵まれました。



 上京区の「山本合同事務所」まで撮影に行っていました。

 この春、竣工写真の撮影は4件目です。



 電線だらけなのが日本の街並み。

 その中で、少しでも影が少なく、美しいタイミングで撮影したいのが、設計者というものです。

 写真家にも無理をいい、朝の7時半頃から待機していました。



 このオフィスは、車が多く停められるよう、1階は最小限の階段と看板があるだけ。

 白い箱が浮いているような建物です。



 内部は3階から撮影をスタート。

 道路と反対の、南に向いた窓から光が回ってきます。



 3階は、打合せとリビングを兼ねたような空間で、小さなキッチンとロフトもあります。



 それが、南側の吹抜けでワークスペースとつながっています。



 道路のある北側は、間接光となるので全面開口としました。



 消防法上必要な非常用進入口。

 北側の吹抜け上のブリッジで繋がります。

 そこに掛けられていた苔玉。クライアントのグリーン好きは私の想像を超えていました。




 この日は、昼から日本建築家協会主催の相談会がありました。

 観光客で賑わう二条城を横目に一旦中座。



 河原町の丸善京都本店へ向かいます。

 途中の教会が目に入りました。

 時間があれば入ってみたいところですが、おにぎりを食べながら足早に通過します。



 夕方に戻ってから、2階の撮影を再開しました。

 2つある大きなデスクは、人の流れに合わせてデザインしています。

 仕事場なので多くの書類、荷物があります。それらを動かしながらの撮影です。



 なかなか大変でしたが、動かすことを許容して貰えるなら、空間が最もよく伝わる風景にしたいのです。



 内部撮影終了の後、30分程休憩して夕景の撮影を始めました。

 全ての片づけが終わったのは夜の9時頃。正直クタクタでした。

 クタクタになった時、「もうこのくらいでいいんじゃないか」と、優しい顔をした悪魔がささやいてきます。

 「いやいや、天気もよく、皆のスケジュールが合うこのタイミングは一生に一度。もっと粘り強く」と厳しい顔をした、天使がささやきます。

 心の中では押し合い圧し合い続きますが、悪魔と天使なら天使が正しいに決まっているのです。

 不幸せの時くたびれる者は、役に立たざるなり

 -山本常朝- 江戸時代 武士

 山本常朝は『葉隠』に武士の心得を記しました。

 日本人で、普通に会話できない人はそういません。人の能力には、それほど差がないのではと私は思っています。

 クタクタと不幸を一緒にするのは大げさですが、差がつくなら、そんなタイミングしかないと思っているのです。

 ちょっと、風呂敷を広げすぎました。

 しかし、写真の仕上がりが楽しみなのです。



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「羽曳野の家」放映

■■■『住まいの設計05・06月号』3月20日発売に「羽曳野の家」掲載

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