猛毒吹付??
2013年5月4日
先日、オバマ大統領に送り付けられたというニュースが話題になった「リシン」。建築では外壁の仕上げ材に「リシン吹付」が非常によく使われています。何でも青酸カリの1万倍の毒性らしいけど、そんなもの建材に使って大丈夫?それとも別物のリシン??ということでちょっと調べました。
建材の「リシン吹き付け」といえばこれ。(シポカケン[エスケー化研])
リシン[Ricin]・・・トウゴマ(ヒマ)の種子から抽出されるタンパク質。猛毒なのはコイツ。
リシン[lysine]・・・α-アミノ酸のひとつ。これは毒じゃないみたいだけど、建築資材でもない。
(以上写真・テキストはwikipedia)
ということでネットで調べてもほとんど情報がありません。リシン吹き付けって一体・・・。
色々調べてまわって唯一ヒットしたそれらしい情報が以下です。
http://okwave.jp/qa/q449638.html (OK wave)
どうやらlithingというつづりで、やっぱり全然別ものらしい。ちょっと安心。さらに色々調べると、信頼できそうな情報もありました。
「仕上塗材の一種である樹脂リシンやセメントリシンは砂が散布されたような仕上がりとなる材料ですが、和製英語のスペルは「lithin」で、ヒマ(Ricinus communis)の実から得られる毒素リシン(ricin)とは全く異なります。」(日本建築仕上材工業会ホームページ)
なるほど。少ない情報から推測すると、昔日本に入ってきた石目調の吹付材の商品名が「lithing」だったので、それがそのまま和製英語として定着してしまった、ということのようです。猛毒と同じ名前なんて非常に紛らわしい。ですがまあ、誰も気にしてないのかな。今度吹付材の営業さんが来たら聞いてみよう。
山本嘉寛建蓄設計事務所
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山本嘉寛建築設計事務所 YYAA
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