全く梁型のない高層板状マンション「ＳｕＫＫｉＴ（スキット）ノンスリーブ」

梁のない高層板状共住/三井住友建設/スリーブゼロ実現



三井住友建設は、住戸内に全く梁型のない高層板状マンション「ＳｕＫＫｉＴ（スキット）ノンスリーブ」を開発した。１５階までの高層板状マンションへの適用を目的とし、今後は首都圏を始め、全国の高層マンション案件に積極的に提案していく。
　同社の調査によると、一般的な１００戸程度の規模の板状マンションでは、設備敷設に伴う構造躯体のスリーブ（開口）は約２５００カ所あり、うち主要構造体である梁のスリーブは約２００カ所に上る。
　今回開発した新構法は、バルコニー側と外部廊下側ともに構造架構を部分的に集約した、同社独自の構造フレーム「グリッドフレーム」を採用。これにより、耐震構造でありながら住戸内の梁型をなくすことができ、主要構造体である梁のスリーブゼロ、外部廊下側ファサードのデザイン性向上、開口部の自由度向上を実現する。
　従来の外部廊下型板状マンションは、外部廊下側ファサードは廊下手すりが連続する単調なデザインが一般的だが、外部廊下外側にあるグリッドフレーム自体が外観デザインのアクセントとなるため、マリオンなどの装飾物を付加することなくバルコニー側と統一感の取れた外観形成が可能となる。
　外壁面に梁がないので、バルコニー側リビングでは床から天井いっぱいの高さのハイサッシが設置可能で、従来よりも眺望と採光性に優れた住空間を実現。外部廊下側では居室のサッシをこれまでより高い位置に設置でき、換気のために窓を開けた状態でも外から覗かれにくく、快適性とプライバシーを両立する。
　また、玄関扉上部に梁がないため、アルコーブ周りの開放感が向上するとともに、地震発生時の躯体変形による扉開閉の不具合が発生する心配もない。

この記事は建設通信新聞より転載しています