キッチンサイズのカウンター幅について
2016年2月11日
今日はキッチカウンターの幅についてです。
まずキッチンには色々な形状がある中で、
幅を決めるときの共通の目安となる指標があります。
それは
「ワークトライアングルの長さの総和」
です。
ワークトライアングルとは、冷蔵庫、シンク、コンロの各前面中心を
頂点とした三角形のことで
その長さ、すなわち移動距離の総和によって
作業効率を表した指標です。
その長さの総和が長くなればなるほど
動きに無駄ができやすくなりますが
逆に短いと、配膳や収納などのスペースが足りなくなります。
その点を考慮して、
各生活スタイルに合ったキッチン形状の幅を決めていきます。
ワークトライアングルの視点から、
代表的なキッチン形状は、
①I型、②Ⅱ型、③L型、④U型などがあります。
その形状の特徴とワークトライアングルを
簡単に確認していきます。
①I型
皆さんご存知の通り、シンク・コンロが一直線になっている、
最もスタンダードな形状です。
メリットとして
スタンダードですので、各メーカーの選択肢が最も多くあり、
また価格も幅のあるコストパフォーマンスに有効な形状です。
さらに家事動線を効率よく短くすることで、
キッチンをあまり大きくできないような
間取りにも対応できます。
しかしデメリットともあり
動線が重なってしまうため、
複数人での調理には向きません。
また一直線の動線になりがちで幅を広くしすぎると
動線が伸び、行き来が面倒になります。
その時は、冷蔵庫を背面に置くなどし、
ワークトライアングルの角度をつけてやることも対策の一つです。
「ワークトライアングルの総和の理想=3.5m以内」
②Ⅱ型
洗いものや下ごしらえするシンクや調理台と、
炒めたり煮たりするコンロ・配膳場所が分けられた形状です。
複数人でも調理できるように対応できる
レイアウトすることが一般的で、
そのためにシンクとコンロの幅は、
広く確保する(120cm以上がほしい)ことが大切となります。
メリットとしては、
広い調理スペースとなるので、
家族が多い場合や
パーティーなど複数人でも作業にも対応でます。
デメリットとしては、
やはり広いキッチンスペースが欲しいですね。
「ワークトライアングルの総和の理想=5.5m以内」
③L型
シンクとコンロが直角に配置されていて、
I型の次に多い形状です。
メリットは、
やはり移動が少なく、
調理、配膳作業効率の高さでしょう。
また作業スペースはL字ですので
自ずと作業スペースも広く取れます。
デメリットとしては、
カウンターのコーナー部分がデッドスペースになりがちです。
また収納もしかりです。
最近では、メーカーもできる限り
無駄なスペースにしないよう対策をしていますが・・・。
また、広いキッチンスペースが必要となります。
「ワークトライアングルの総和の理想=4.8m以内」
④U型
カウンター、冷蔵庫、シンク、コンロが
囲むように配置された、一方方向からの出入りする形状です。
Ⅱ型と同様、
複数人での調理ができるよう
作業スペースが広く確保されます。
メリットとして
独立した状態になるため、
調理に集中することができます。
調理スペースが広く
大人数の家族でもゆとりのある調理ができるでしょう。
デメリットとしては
食器棚が遠くなったり、
食卓への配膳や後片付けの動線が長くなり、
移動が面倒になる可能性があります。
また調理スペースが広くなり、
もてあますスペースも増える可能性があります。
「ワークトライアングルの総和の理想=5.5m以内」
以上一般的な特徴、
メリット、デメリット、ワークトライアングルの総和を
おはなししましたが、あくまで参考です。
このことは、
専門の方なら誰もが似たようなことを
説明されると思います。
だからと言って、そのことが本当に自分に合っていますか?
私は、その疑問からがキッチン計画のスタートだと考えています。
一般的とか、
標準的なとか、
言葉に流されない、
自分の身の丈に合った「じぶんだけのキッチン」つくるために
まず基本的なキッチンカウンター幅のお話しでした。
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岩瀬隆広建築設計
想いを諦めないアイデアいっぱいの家
熊本の住宅設計を中心に新築からリノベーションまで限りある予算の中でも「質の高い心地よい住空間」を提案しています。「想い」をあきらめないアイデアいっぱいの家を目指すパートナーとしての一級建築士事務所...