皆が参加することで、失われるものはないのか...。

2013年1月31日

先日、このブログで、
デヴィッド・バーンのことを話題にしたら、
自分で書いたものに、自分で影響されて、
当時聴いていたようなものを、
いろいろと聴きなおしてしまいました…。

私が、少しばかり、
デヴィッド・バーンのトーキング・ヘッズを聴いていた頃には、
いわゆる「ニューウェーヴ」と呼ばれた、
同時期のグループがたくさんいて、
そういったものを、同時に、よく聴いていました…。
と言っても、私が聴いたのは、
数年遅れてのことではありましたが…。

当時の「ニューウェーヴ」というのが、
ムーヴメントとはいっても、
何か共通の音楽性がある、といったようなものではなくて、
要するに、
何でもアリ、といった感じだったので、
かなりヘンテコなグループがたくさんいて、
それぞれが好き勝手にやっているように見えました…。
そして、それが、
とても自由で、面白いと思っていました…。

ただ、
そんな、何でもアリの状況の中で、
それでも、
ただひとつ共通していたのは、
多分、
「Do It Yourself(DIY)」...、
つまり、
「自分でつくろう」といったような考え方ではなかったか、
と思っています…。

例えば、
今まで楽器等を持ったことがない人が、
いきなり今日から演奏をはじめる、
といったような感じで出来上がったものであっても、
それが面白ければ、OKという感じがありました…。

いや、むしろ、
プロっぽい、こぎれいにまとまったものではない、
手作り感あふれたものにこそ、
かえって、
リアリティを感じるようなところがありました…。

こういった考え方は、この時代の音楽に限らず、
今現在でも、
結構いろいろな分野で、
あるのではないでしょうか…。

いわゆる、
「ヘタウマ」という感じに近いのかもしれません…。

そんなことで、
既成のものをつくる、いわゆる「プロ」とは違う、
「アマチュア」っぽい態度の方が、
当時は、むしろカッコよかった…。

ワイヤーというグループなどには、
「バンドをつくってから、楽器を買った」…、
なんていう名言(?)もあります…。

そんなことで、
そのワイヤーのデビューアルバムも、
久しぶりに聴いてみたのですが、
ほとんどの曲が1分程度のものばかりで、
アイデア一発勝負みたいな感じなんですが、
改めて、
それが、かえって、
清々しさを感じてしまいました…。

本人達も、
「ネタが尽きたらそこでおしまいだった。
長い曲を作ることを考えてなかった」...、
なんて言っています…。

また、
フライング・リザーズというグループは、
ドラムの代わりにダンボールの箱等をたたき、
その中を、
何やらブツブツと物憂げに呟く、
歌なのかどうかすらわからないような歌で、
名曲をカバーしたりしています…。

こうなると、
「今まで楽器等を持ったことがないような人が、
今日から演奏をはじめる」、
というコンセプトは、さらに進んで、
「楽器等を持たなくても、今日から演奏をはじめる」、
という感じになっています…。

はじめて聴いた頃は、
その、あまりの自由に、圧倒されたのですが、
それでいて、
今聴いても、
それなりにポップスの楽曲として成立してしまうような、
なんとも言えない愛嬌のようなものがありました…。

いろいろと理屈はあるのでしょうが、
今でものこっているのは、
結局のところ、
そうした愛嬌のような部分が大きいような気もしました…。

ところで、
改めて聴いていて、何となく思ったのですが、
こうしたものが、
音楽のメインストリーム(主流)のようなものになることって、
あるのでしょうかね…。

私も、こうした感じのものが結構好きで、
割とよく聴く方だと思うのですが、
それでも、
音楽の主流が、
ろくに演奏をすることもできないような、
いわゆる「アマチュア」っぽいものばかりになる、
というようなことを、
あまり想像することができません…。

話は、以下に続きます...。
http://blogs.dion.ne.jp/k_nakama/archives/11074218.html

仲摩邦彦建築設計事務所

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仲摩邦彦建築設計事務所

ひとつひとつ丁寧に取り組んでいきたい、と考えています。

建築は、建築主であるお客様や、様々な条件・環境等の、出会いや組み合わせにより生まれるものであり、それぞれが、その機会でこその個性的なものだと考えています。 「これしかない」と納得できるようなものを...

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