セキュリティデザインを楽しむ-11(終) ■美と防犯
2019年11月5日
■美しいデザインと防犯
個性的であることがそれだけで抑止力を持ち、防犯上の工夫がデザインの向上につながることは、建築家とのいえづくりに、希望と自信を与えてくれるのではないでしょうか。また、防犯から発想されたわけではないが、結果として高いセキュリティを持つデザインも存在します。
たとえば、20世紀を代表する住宅建築であるコルビュジェのサボア邸の場合です。この住宅は、2階が柱で中に浮くように建っていて、すべての生活ゾーンは2階に持ち上げられています。いわば、建物全体の特徴的なデザインが、そのまま侵入者にとっては巨大な鼠返しになっているのです。
快適で美しいデザインが、侵入者の目からは難攻不落に映ることは愉快ではありませんか。自己防衛にあくせくしがちな現代社会の中で、美しさと強さとを合わせ持つ住宅や建築が生まれ、増えることを期待し、また、めざしていきたいと思います。(終わり)
【参考】窃盗犯の具体的な手口・心理については、
「防犯泥棒大百科」http://www.hanzai.net/index.htm
が興味深い。
町の目の届き方と被害との定量的な調査については、
山本俊哉・松本吉彦・柏原誠一「戸建て住宅における侵入被害開口部の位置に関する調査」
日本建築学会技術報告集24巻、2006年12月
を参照下さい。
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(株)プライム一級建築士事務所
人間の内面と呼応する空間
【代表建築家 西島正樹】 プロフィール 1959年 東京生まれ 1982年 東京大学工学部建築学科卒業 1984年 東京大学大学院建築学専攻修士課程修了 1984年 ㍿石本建築事務所勤務 ...