house n
2012年7月25日
久々に三好のhouse nを訪れた。本来は竣工丸1年になる今年の正月に訪問を予定していたが、なかなかスケジュールがあわずいつのまにか夏となった。生活が始まってから訪れるのはこれが初めてとなる。どの様にお使いいただいてるのだろうと行く道すがら考えた。考えたけど、暑さのせいかなかなか思い浮かばない。
ご要望がない限り依頼された建物は素材の種類を減らしてシンプルになる様こころがけている。どちらかといえば低予算の建物の方が得意となるかもしれない。話を進めていくうちに空間の贅肉は削ぎ落とされ、これだけは必要というものが残っていく。生活の核みたいなものが見えてくる。この家は外装はガルバリウム、内装はラワンでほとんどが統一されている。味気ないと言われるかもしれないけど光と風の事を除けば空間は控えめな方がいい。彩りは生活を営む施主に任せたい。
来てみるとさまざまな家具が設えられていて、その多くがアンティークや少し手のかかったものだった。見るだけの骨董品でないところがいい。イームズの椅子に座らせていただき、お施主さんからいろいろお話を伺った。床板の杉と使い方、キッチンの事、庭を手入れした事、色のつき始めたラワン、生活の音の事、廊下を通る風、光と窓の向こうの緑、家族のこと、駐車場、集まってくる人のこと、階段と会話。聞きながら私の中の一年半の空白が少しずつ埋められた。生活の情景がありありと浮かび上がるものだった。ここでの時はまだ刻み始められて間もない。楽しく長く使い続けていただけたらと思っている。
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竹中設計事務所アシュ
名古屋のローコスト住宅を得意とする事務所
名古屋近辺で坪単価50〜60万円台の住宅を得意とします。ハウスメーカーで納得されない方はぜひ一度ご相談ください。よろしくおねがいします!