現役感

2013年11月1日

先日、
ミュージシャンのルー・リードが亡くなった、
というニュースがありました…。

私は、
2、30枚あると思われる、
公式のアルバムは、多分全部持っていて、
来日公演にも行ったことがある、というような、
ちょっとしたファンだったので
(この人は、相当に熱心なファンがいて、
そうした方々には、到底及びませんので、
「ちょっとした」です…)、
本当に、残念でなりません…。

まだそんな歳でもないのに…。

あまりにも残念だったので、
「ちょっとした」ファンなのですが、
どうしても、
何か言っておきたくなってしまいました...。

いまだ、彼の代名詞のようにもなっている、
デビューアルバム、
『ヴェルベット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』が出たのが、
1967年だそうで、
私の生まれる前の話です…。

ということで、私が、
ルー・リードの作品を聴いたのは、
そのほとんどが、リアルタイムではなくて、
後追い、ということになります…。

通常、
キャリアの最初の方で、
とんでもない、歴史的な名作が出てしまうと、
それを後追いで聴いていく人にとっては、どうしても、
昔の、歴史上の人、
という感じを持ってしまうように思います…。

ただ、
私が、ルー・リードの作品を、
リアルタイムで聴いて、
その後ずっと聴くようになったきっかけは、多分、
1989年の『ニューヨーク』だったと思うのですが、
それ以降、数年ごとに出る作品はすべて、
過去の名作に勝るとも劣らないようなものばかりだ、
と思いました…。

つまり、
過去の偉大な人というだけではおさまらない、
「現役感」といったような感じが、
あるように思いました…。

一昨年にも、
あのメタリカと組んで、
作品を発表したりしていました…。

メタリカのファンの方には、大変申し訳ないのですが、
私はどうしても贔屓目にみてしまうせいか、
この作品は、
ルー・リードのバックバンドを、
メタリカがつとめているように感じてしまいました…。

そんなことで、
どの作品も、かなり聴いていて、
どれも、それなりに気に入っているせいか、
その作品群のすべてが名作のような気がしているのですが、
中でも...。

デヴィッド・ボウイ、プロデュースの、
『トランスフォーマー』(1972)…。

全体で一つのストーリーになっていて、
最高傑作として推す人も多い、
『ベルリン』(1973)…。

その後の、転機にもなった、
『ブルー・マスク』(1982)…。

個人的には多分、一番好きな、
『ニューヨーク』(1989)…。

等々といった作品は、
贔屓目を排して、割と客観的にみても、
今後も、しばらくは聴き継がれていくのではないか、
という傑作のような気がします…。

結構、毎回毎回、違った取り組みをしているのに、
あの声と、歌い方を聴くと、結局すべて、
ルー・リードになってしまう、というような、
突出した個性が、
そうした「現役感」のようなものを、
もたらしていたのかもしれません…。

ということは、
今後も、まだまだ、
過去の作品を超えるようなものを、
生み出すことが出来たはずなのに…。

本当に、残念...。


話は全然変わりますが、
今年は、
丹下健三生誕100年にあたるそうで、
関連の本が多数出版されたりして、
ちょっと盛り上がっているみたいです…。





私が丹下健三のことを知るようになったのは、
学生だった、
1980年代後半から、1990年代前半にかけてで、
ちょうど、
先のルー・リードを聴くようになったのと同じ頃ですが、
この頃にはすでに、
この偉大な建築家には、
そうした「現役感」のようなものは、ありませんでした…。


話は、以下に続きます...。
http://blogs.dion.ne.jp/k_nakama/archives/11352627.html

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プロフィール

仲摩邦彦建築設計事務所

ひとつひとつ丁寧に取り組んでいきたい、と考えています。

建築は、建築主であるお客様や、様々な条件・環境等の、出会いや組み合わせにより生まれるものであり、それぞれが、その機会でこその個性的なものだと考えています。 「これしかない」と納得できるようなものを...

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