森に向かったアトリエ付の住宅
奥様が版画作家で、ご主人がかつて彫刻をされていたという、芸術に造詣の深いお施主様のためのアトリエ付の兼用住宅である。 敷地は、小さな森に南面している。 住宅部分は、森に面して明るい陽光が求められる反面、アトリエ部分は、時間によって刻々と変化する直射日光による採光がタブーとなる。 この相反する採光条件を解決するために、この建築は二つのボリュームに分けて計画された。 その2つのボリュームを南北に向き合わせて、中庭に植えられた1本のシンボルツリーを囲い、中庭に開くようにコの字型に建物が配置された。 なお、2階のリビングから、眼の前に広がる豊かな森を日常生活で楽しめるよう、アトリエの屋根を低く抑えることとした。 リビングの天井には、構造材をそのまま内装材として使用する「ジョイスト梁」方式を採用し、木の質感が日常的に感じられる空間を目指した。 床材や造作収納にはナラの無垢材を使用し、年月の経過とともに、その質感や色合いの変化が楽しめるように配慮した。 構造等級は住宅性能評価制度の等級2とし、断熱性能についても次世代省エネ基準相当の性能を確保している。 なお、お施主様が建物完成後に描いてくださった、この家をモチーフにした版画が、建築という合理性の集積物が、芸術たりうるかという問いに、一つの可能性を感じさせていただけた気がする。 ちなみに、中庭に植えられたシンボルツリーは、お施主様のご意向により、葉の形が特徴的な「桂」の樹が植えられた。
作品名 | 小さな森のアトリエ |
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ジャンル | 郊外住宅,中庭(パティオ)のある家|コートハウス,無垢・自然素材 |
所在地 | 埼玉県さいたま市 |
設計から完成迄の期間 | 2012年3月竣工 |
敷地面積 | 132.56㎡ |
延床面積 | 113.62㎡ |
写真の撮影者 | 佐藤敏治 |
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