来春、ベネッセアートサイト直島にANDO MUSEUMが誕生

安藤忠雄氏がベネッセアートサイト直島で最初に設計してから今年で25年。その間、オーバル、パーク、ビーチなどのホテル施設や、家プロジェクト「南寺」、地中美術館、李禹煥美術館といった美術施設の設計をしてきた。
そんなベネッセアートサイト直島に、来春、安藤忠雄氏のミュージアムが誕生する。

ANDO MUSEUM

家結び

新しいプロジェクトでは集落にある民家を改修する。外観を残しながらも、中はコンクリートの新しい空間となる二重構造が考えられており、これまで安藤氏が手掛けてきたさまざまな建築の要素を集約した、建物自体も作品となるミュージアムになる予定。

そして、直島の安藤建築の歴史だけではなく、活動の中心地である直島の歴史を写真、スケッチ、模型などを展示するという。開館は、「瀬戸内国際芸術祭2013」が開催される来年の春を予定している。

ベネッセアートサイト直島とは

家結び

岡山市に本拠を置く教育関係企業ベネッセコーポレーションが、瀬戸内海に浮かぶ離島・直島(香川県直島町)で展開する、現代美術に関わるさまざまな活動の総称。ベネッセハウス、家プロジェクト(島内の海岸や集落を使ったアート作品のインスタレーション)、その他刊行物やシンポジウムなどを含んでいる。

ベネッセアートサイト直島

ベネッセアートサイト直島の主な施設

ベネッセハウス(安藤忠雄設計、1992年)家結び

「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、美術館とホテルが一体となった施設として、1992年に開館しました。「ミュージアム」、「オーバル」(1995年)、「パーク」「ビーチ」(いずれも2006年)の4棟からなり、全て安藤忠雄の設計によるもの。

家プロジェクト家結び

家プロジェクトは直島・本村地区において展開するアートプロジェクト。宮島達男による「角屋」(1998年)に始まったこのプロジェクトは、現在、「角屋」「南寺」「きんざ」「護王神社」「石橋」「碁会所」「はいしゃ」の7軒が公開されている。

角屋(1998年。築200年の屋敷に宮島達男作品を展示、ヴェネツィア・ビエンナーレの作品の直島バージョン。建物修復監修は香川県高松市牟礼町牟礼のイサム・ノグチのアトリエの修復を手がけた建築家・山本忠司)

南寺(1999年。明治時代まで寺のあった場所に周囲や歴史的文脈と調和した建物を新築し、内部にジェームズ・タレルのインスタレーションを展示。安藤忠雄設計)

きんざ(2001年。築200年の小さな民家に内藤礼作品を展示、ヴェネツィア・ビエンナーレの作品の直島バージョン。建物修復は内藤礼、木村優、永田直)

護王神社(2002年。写真を使った美術家、杉本博司の構想による作品。老朽化した江戸時代からの神社の本殿・拝殿を建て直し、地下に石室を作ってガラスの階段で本殿とつなぎ、光を採り入れるもの。設計は杉本博司、木村優、設楽敏生)

石橋(2006年。製塩業を営んでいた石橋家に、千住博による「ザ・フォールズ」など19点を展示)

はいしゃ(2006年。歯医者だった建物の内外装に大竹伸朗が廃物を設置しペインティングを施した「舌上夢/ボッコン覗」)

碁会所(2006年。碁会所のあった空き地に建物を新築し、須田悦弘による彫刻「椿」を展示)

関連する施設

地中美術館(安藤忠雄設計、2004年)家結び

「自然と人間を考える場所」として7月に開館。アート、建築とのコラボレートによる新たな美術館像を提示。直島の中核施設となる。

李禹煥美術館(安藤忠雄設計、2010年)家結び

国際的に評価の高いアーティスト・李禹煥の個人美術館。

豊島美術館家結び
瀬戸内海を望む豊島唐櫃(からと)の小高い丘に建設されるアーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛による「豊島美術館」。
広さ40×60m、最高高さ4.5mの空間に柱が1本もないコンクリート・シェル構造で、天井にある2箇所の開口部から、周囲の風、音、光を内部に直接取り込み、自然と建物が呼応する有機的な空間となっている。

【動画】豊島美術館 | 西沢立衛

自然と建築の芸術の融合 ベネッセアートサイト直島

プロフィール

東恩納 尚縁

将来の夢は孫と一緒に暮らすこと。

孫ができた為、将来は娘夫婦と二世帯住宅の夢を持っています。
「住まい」について考えたコラムを寄稿しています。

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