建設業における女性活躍の機運を高める!国土交通省

国交省 女性が活躍できる建設業へ/地域ぐるみの活動費に助成/15年度、全国10件を支援

家結び.COM

国土交通省は、建設業における女性活躍の機運を高め、全国規模でのムーブメントに発展させていくことを目的に、地域レベルでの環境整備に対する支援に乗り出す。建設会社や業界団体、教育訓練施設、地方公共団体などがネットワークを組織し、地域ぐるみで行う就職や定着のための活動経費を助成する。2015年度予算概算要求に、新規事業として5000万円を盛り込んだ。全額が優先課題推進枠での要求となっている。
 国交省と日本建設業連合会など建設業5団体は8月22日に、官民挙げたアクションプラン『もっと女性が活躍できる建設業行動計画』を策定。5年以内に、女性技術者・技能者を現状の10万人から20万人に増やす目標を打ち出した。
 行動計画の中で国交省は、地域ぐるみで女性を支える活動への支援を明記しており、具体化に向けて予算を要求した。技術者・技能者に限ったものではないが、15年度に全国で10件程度の取り組みを支援したい考えだ。
 建設業での女性の活躍にはライフサイクルに応じて、主に3つのボトルネックが指摘されている。「就職段階」ではそもそも、女性の採用や登用に積極的な企業の情報が届いていないといった課題がある。「定着・就業継続段階」には、中小建設企業の社内で女性は少数派でキャリアパスも身近になく、将来が見通しにくいという悩みが存在。結婚や育児でいったん業界から離れ、復帰する際の「家庭との両立段階」という大きなハードルも立ちふさがる。
 新たに創設する「『もっと女性が活躍できる建設業』地域協働推進事業」は、各段階の課題に即応し、建設業で働く女性を包括的にサポートするのが狙い。
 具体的には、複数企業による合同採用説明会や女性向け現場見学会の開催、地域レベルで企業情報を一元的に発信するポータルサイトの構築などを促す。
 建設企業の社内に女性は少なく、個社対応には限界があることから、女性交流会やセミナー、相談サポートなどを通じて、企業の枠を越えた女性同士のヨコのネットワークを形成する。
 育児期間中なども業界とのつながりを保ち、踏みとどまりを促す取り組みや、現場復帰に際して技能の回復を図る再入職支援なども展開してもらいたい考え。
 新事業では、都道府県や市町村、業界団体などが務めることが想定される地域ネットワーク事務局の活動経費を国費で支援する。広く参考になる先進事例を創出して水平展開し、建設業自体のイメージアップにもつなげていく。

この記事は建設通信新聞より転載しています

プロフィール

東恩納 尚縁

将来の夢は孫と一緒に暮らすこと。

孫ができた為、将来は娘夫婦と二世帯住宅の夢を持っています。
「住まい」について考えたコラムを寄稿しています。

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