アメリカンチェリーの突板斜めに貼った印象深い玄関収納

そして、こちらが、今回初めてお見せする玄関収納。Nさんと打ち合わせをしていく中で、玄関を印象的にしたいのです、と言うご意見を頂いて実現したこの扉の柄。落ち着いた印象にまとまりました。

帰り道、18時にいらっしゃるSさんとの打ち合わせまでまだ時間がありましたので、ゆったりとローカルな道を走って帰ることに。

そして、そのあとに、必要とされている人や必要としてくださる人もいれば、必要とされなくなってしまった場所もある、ということが見えたのでした。

懐かしく久しぶりに、母校であるいちょう小学校の前を通った時でした。赤い工事用のパイロンが門の前に置かれておりました。懐かしいグランドは草が生えて、今流行のグラウンドを芝生にする工事を行ったのだろうかと、速度を落としながら横目で見ていたのですが、その奥に見える校舎がいつもよりも曇って見えたのでした。
なんだか胸騒ぎがして、車を止めて、スマートフォンで調べてみると、今年の3月いっぱいで学校は閉校となっていたのでした。閉校と言っても、なくなったわけではなく、少し北にある小学校と統合されたのだそうです。
そういえばそんな話がどこからともなく聞こえてきたっけ・・。

でも、耳にするのと、目にするのでは、こんなに気持ちが違うのだなあ。
そう考えると急に淋しくなってきましたね。

もう、夏の盆踊りで、「何でお前が居るんだよー！」って言いながらとてもうれしそうに好きな女の子に話しかけることもできないし、
校舎の最上階の天井を「ドラキュラの部屋だっ！」って騒ぐこともできないし、
給食室の前を通ると、ご飯がたくさん炊ける匂いを家具こともできないし、
金網越しに見えた秋の緑色の濁ったプールの色を見ることもできないし、
学校の隣の広場で夜、子供たちが集まって青空映画会を開くこともできないし、
たくさん雪が降っても半ズボンから覗く腿を真っ赤にさせながらサッカーボールを蹴ったあの日に戻ることもできないし、
体育館の裏で見つけたちょっと大人な本をこっそり友達と見ることもできないし、
先生に怒られてお尻がこっぴどく叩かれることも無くなっちゃったのだ。

もうこの町を出てしまってから過ごした年月のほうが長いけれど、一番いろんなことを吸収できる小学校、中学校の時。その一つの時間が閉校となって取り壊されてしまうのかもしれないと思うと、それはとても淋しいなあ。

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