建売住宅およそ8割は欠陥住宅?検査会社もグル!?
検査会社もグル!? 建て売り「8割は欠陥住宅」は本当か
■大手メーカーこそ要注意
建売住宅のうちおよそ8割は、筋交いや耐力面材の施工など、構造面に欠陥を抱えている。これは「建て売り」というビジネスモデルそのものからくる問題でもある。建て売りでは家の買い手は、建物が完成した後で初めて物件を見る。しかし構造的な問題は内外装で隠され、完成後に外から見ただけではわからない。ここに根本的な問題がある。
隠された構造的な問題が明らかになるのは、住宅を購入した人が、検査会社に検査を依頼した場合だ。建売業者はこのため、検査会社が介入することを嫌う。欠陥のない住宅が欲しければ、建築の過程から外部の検査会社を入れてチェックさせるべきだが、建て売りでは難しい。しかし最近は購入前に自ら検査会社に依頼する人も増えている。そうした場合、建て売りでは8割方の家に、構造上の欠陥が見つかるのが実態だ。
ただし検査会社の中には、建売業者と密接な関係のある業者がめずらしくない。そうした業者が検査し、「問題なし」という報告書を出した後で、当社が住人から依頼を受け、同じ物件を改めて検査したことがある。結果は、あまりにも欠陥がひどかったため、全面的に建て直し。検査と称して建築会社にお墨付きを与えているのが、建築業者と結びついた検査会社のやり方なのである。
最近は大手ハウスメーカーも開発業者(不動産業)として建売事業に進出している。しかし、大手といっても施工するのは地場の工務店なので、中小に比べてとくに品質がよいわけではない。むしろ大手の現場監督は、経験不足から施工業者に足元を見られているケースが多く、手抜きがあっても発見できないとか、見つけても強く指導できずに欠陥をそのままにしてしまう場合があるので、むしろ注意が必要だ。
よい立地に安価な住宅をつくるため、土地を小分けにして3階建ての建売住宅を売り出すケースもある。この種の建売住宅はとくに多くの欠陥を抱えている。悪質な業者は、3階建てであっても2階建てと同じ基準で建物を建ててしまうからだ。
■基礎断熱は本当に必要か?
最近、よく問題になるのが基礎断熱工法だ。夏場に基礎部分のコンクリートの温度が低いままだと、そこに夏期結露が生じ、家の中の床に近いところの温度が低くなって相対湿度が上昇し、革製品や布製品がカビたりするという被害が出る。この工法については施工業者も問題を把握していないケースが多い。冷暖房効率がいい「魔法瓶のような構造」といわれれば、惹かれてしまうのは人情。だが、基礎断熱については、やらないほうがいいと思ってほしい。
もともと新築住宅の売り手は、「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」に基づき、住宅の主要構造部分の瑕疵について、10年間の瑕疵担保責任を負うこととされている。さらに2008年より施行された「瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)」により、新築住宅の売り手は瑕疵担保責任を履行するための資力の確保を義務付けられている。
いくら法律があっても、業者が倒産してしまったら、買い手が補償を受けられるわけではない。検査会社等を活用して、瑕疵のない家を手にすることが何よりである。
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日本建築検査研究所代表取締役・一級建築士 岩山健一
1956年生まれ。欠陥住宅問題をいち早く正面から捉え、消費者側の代弁者として現在まで数多くの紛争解決に携わる。
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日本建築検査研究所代表取締役・一級建築士 岩山健一 構成=久保田正志
この記事はYahooニュースより転載しています
■大手メーカーこそ要注意
建売住宅のうちおよそ8割は、筋交いや耐力面材の施工など、構造面に欠陥を抱えている。これは「建て売り」というビジネスモデルそのものからくる問題でもある。建て売りでは家の買い手は、建物が完成した後で初めて物件を見る。しかし構造的な問題は内外装で隠され、完成後に外から見ただけではわからない。ここに根本的な問題がある。
隠された構造的な問題が明らかになるのは、住宅を購入した人が、検査会社に検査を依頼した場合だ。建売業者はこのため、検査会社が介入することを嫌う。欠陥のない住宅が欲しければ、建築の過程から外部の検査会社を入れてチェックさせるべきだが、建て売りでは難しい。しかし最近は購入前に自ら検査会社に依頼する人も増えている。そうした場合、建て売りでは8割方の家に、構造上の欠陥が見つかるのが実態だ。
ただし検査会社の中には、建売業者と密接な関係のある業者がめずらしくない。そうした業者が検査し、「問題なし」という報告書を出した後で、当社が住人から依頼を受け、同じ物件を改めて検査したことがある。結果は、あまりにも欠陥がひどかったため、全面的に建て直し。検査と称して建築会社にお墨付きを与えているのが、建築業者と結びついた検査会社のやり方なのである。
最近は大手ハウスメーカーも開発業者(不動産業)として建売事業に進出している。しかし、大手といっても施工するのは地場の工務店なので、中小に比べてとくに品質がよいわけではない。むしろ大手の現場監督は、経験不足から施工業者に足元を見られているケースが多く、手抜きがあっても発見できないとか、見つけても強く指導できずに欠陥をそのままにしてしまう場合があるので、むしろ注意が必要だ。
よい立地に安価な住宅をつくるため、土地を小分けにして3階建ての建売住宅を売り出すケースもある。この種の建売住宅はとくに多くの欠陥を抱えている。悪質な業者は、3階建てであっても2階建てと同じ基準で建物を建ててしまうからだ。
■基礎断熱は本当に必要か?
最近、よく問題になるのが基礎断熱工法だ。夏場に基礎部分のコンクリートの温度が低いままだと、そこに夏期結露が生じ、家の中の床に近いところの温度が低くなって相対湿度が上昇し、革製品や布製品がカビたりするという被害が出る。この工法については施工業者も問題を把握していないケースが多い。冷暖房効率がいい「魔法瓶のような構造」といわれれば、惹かれてしまうのは人情。だが、基礎断熱については、やらないほうがいいと思ってほしい。
もともと新築住宅の売り手は、「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」に基づき、住宅の主要構造部分の瑕疵について、10年間の瑕疵担保責任を負うこととされている。さらに2008年より施行された「瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)」により、新築住宅の売り手は瑕疵担保責任を履行するための資力の確保を義務付けられている。
いくら法律があっても、業者が倒産してしまったら、買い手が補償を受けられるわけではない。検査会社等を活用して、瑕疵のない家を手にすることが何よりである。
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日本建築検査研究所代表取締役・一級建築士 岩山健一
1956年生まれ。欠陥住宅問題をいち早く正面から捉え、消費者側の代弁者として現在まで数多くの紛争解決に携わる。
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日本建築検査研究所代表取締役・一級建築士 岩山健一 構成=久保田正志
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