賃貸物件でエアコンがない！そんな時、自分で設置してもいいの？設置した場合の工事費用は？

内覧した賃貸物件を気に入ったけれどエアコンがない！自分で設置してもいいの？



エアコンは近年、多くの賃貸アパートやマンションで設置されていますが、エアコンがない分、賃料が安く設定されている部屋もまだまだあります。その場合、エアコンを自分で設置していいのか？　また、設置した場合の工事費用はどうなるのか“不動産・住生活”のプロに聞いてみました。

Q.内覧した部屋を気に入ったけれどエアコンがない！自分で設置してもいいの？

A.エアコンが設定されていない場合、自分でエアコンを設置することになりますが、勝手にやってはいけません。契約前や入居中にかかわらず、不動産会社や大家さんにまず伝えましょう。

エアコンのホースを通すための穴（スリーブ）が壁に開いていない部屋もあります。この場合、壁に穴を開けるには工事自体が大がかりになります。伝えておくことで場合によっては、大家さん側で工事をしてもらえることもあります。なお、壁に穴を開けずにすむ窓型エアコンを設置する場合でも、必ず連絡をしましょう。

通常、賃貸借契約書には「甲の書面による承諾を得ることなく、本物件の増築、改築、移転、改造若しくは模様替又は本物件の敷地内における工作物の設置を行ってはならない」（国土交通省、『賃貸住宅標準契約書』より、甲は貸し主）などの項目があるはずです。これを無視して設置すると、あとから撤去を言い渡される可能性もゼロではありません。

なお、大家さんが了承すれば、設置したエアコンを退去時に取り外さず、置いていくこともできます。ですから、設置の際には、「原状回復の義務はあるのか。退去時に置いて行っても構わないか」を確認しましょう。話し合った内容は、必ず文書にしてもらい、印鑑と日付を書いて取り交わすようにします。

ところで、エアコンの設置に限らず、最近では、室内を自分の費用でリフォームでき、退去時に原状回復義務を負わないDIY住宅が現れています。このような住宅は周辺相場より賃料が安く設定されていることが多くなっています。古い住宅が多いのですが、賃料が安いため、自分らしい住まいに作り替えたい人たちから人気を得ています。

国土交通省でも2014年3月、このようなタイプの住宅を「借主負担DIY型」として、「賃貸借ガイドライン」を発表しています。注意したいのは、退去時の原状回復で揉めないこと。上記のガイドラインと渡される賃貸借契約書を比較検討し、どこまで工事ができるのかを事前に十分、チェックしておきましょう。

高田七穂（たかだ　なお）：不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォームなどを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。書籍に『最高のマンションを手に入れる方法』（共著）『マンションは消費税増税前に絶対買うべし!?』（いずれもエクスナレッジ）など。「夕刊フジ」にて『住まいの処方銭』連載中

この記事はマイナビニュースより転載しています