「本棚のある部屋」jay blue style
以前コーディネートさせていただいた大阪のK様。
その後のお部屋を拝見させていただきたくて
再びおじゃましてまいりました。
リフォームしたての施工画像がこちらでした。
本棚はカラッポでまだK様の「生活感」が足されていません。
どうしても「住んでいるリアルな部屋になったところ」を見たかったのです。
半年ぶりにおじゃましたお部屋。
すっかり荷物が入って、ちゃんと生活している部屋になっていました。
「すごく居心地がよくて一日中、ここで過ごしているんですよ」
そうおっしゃっていただけて本当にうれしく思いました。
ズラっと作りつけた本棚には、ご主人様の趣味のコレクション本、膨大なレコード、そして何体かのフィギュアや置物。
(あれ?それ・・・どっかで見たようなシチュエーション(笑)
阿佐ヶ谷プロジェクト「3人のインテリアコーディネーター展」で私が提案した
【男の隠れ家】そのものではありませんか!)
あまり声を大にして言ったことはなかったのですが・・・
実は数年前からジェイブルーが意識しているコーディネートの根底に
「かっこよく散らかった部屋」という考えがあります。あるんでした。
だまっていてごめんなさい(笑)
モデルルームではなく実際の生活の場というのは
大なり小なり生活感が出るものです。
すべてがいつも整然と片づけられて、すべてのモノは一切のズレを許さずに置かれていて、寸分のスキも見せない、そんなふうにストイックに生きてる人ももちろんいるのでしょうが、たいていの(ほとんどの)家の中というのは
スキやヌケがあるものだろうと思っています。
今外から帰ってきたばかりのポンとテーブルにおかれたカバンだったり。
飲みかけのマグカップや、チョコの包み紙の残骸があったり。
ポストからとってきた郵便物が置かれていたり。
ね。
そういう生活の風景が、「散らかっていても、それが絵になるようなインテリア」というのが私の中で求めている(ご提案したいと思っている)理想だったりします。
「かっこよく散らかった部屋」
K様のお部屋に入りましたら、
雰囲気のいい音楽(レコード!)が流れていて、
奥様がお湯を沸かしてお茶を入れてくれて、
ご主人様が作務衣姿(!)でパソコンに向かっている。
暖房の効いた暖かい空間。
やわらかい陽射し。
このテーブルの上に、
読みかけの本が置いてあったとしても。
飲みかけのコップがあったとしても。
床でゴロゴロ寝転がったとしても。
幼稚園から買ってきた子供がおもちゃを広げたとしても。
「生活の風景」として、素敵なインテリアになるのではないかなぁと
そんな思いを持ってコーディネートさせていただいていたりします。
私がコーディネートする空間は「完璧さ」は含んでいないと思います。
整えられたスキのないインテリア、完結した部屋・・・・ではありません、おそらく。
そのことに最近、意識的に気が付くようになりました(いまさら(苦笑))
部屋・インテリアは、あくまでも人生の「舞台」でしかなくて、
住む人が現れて、はじめてそれは「始まる」わけだと思うのでした。
えっと、まぁ、そんな感じです。
(ってどんな感じよ(苦笑)
面倒くさがって突然説明を放棄するるのは悪いクセです、はい)
K様ありがとうございました!
施工事例としてまたあらためてご紹介をさせていただこうと思っています。
(・・・といって、まだご紹介していない事例がたまってますが、何か)
三宅 利佳(ジェイブルー)
インテリアコーディネート事務所 ジェイブルー
●インテリアコーディネーター 980877A
●2級建築士
●AFT色彩検定 1級
美しく暮らすにはそれなりの努力が必要です。
例えば掃除、整理整頓、時々の模様替えや花を活けなおしたり・・・。
どうせすぐ使うから
どうせすぐ汚すから
そう言ってやりっぱなし出しっぱなし汚しっぱなしの生活は
確かに面倒がなくて便利ですが
便利ばかりを追求していてはあっというまに雑多な空間になります。
美しい部屋、居心地の良い部屋というのは
日々手をかけ続ける面倒臭さを内包しています。
でも、そのことを放棄しないでください。
部屋は人の心を表すと思いませんか。
インテリアコーディネーターがお手伝いできるのはほんの最初の舞台づくりだけ。
「こうありたい理想の自分」を思い描いて
ぜひ素敵な住空間を維持してください。
それが、生き方にもつながるのだろうと思います。
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