Report vol.5 エクシブ箱根離宮
会員制リゾート施設、エクシブ箱根離宮の5302号室に宿泊した際の
インテリアチェックのお話です。
独立した2つのベッドルームと、専用の露天風呂のついた120㎡ほどのお部屋。
気品を感じさせる和モダンテイストのインテリアになっていました。
シックな内装、黒やグレーという色合い、抑え気味の照明、
全体的には大人っぽい落ち着いた暗めの雰囲気です。
室内が暗い分、窓の外に広がる山々の緑と空の明るさが雄大な自然を際立たせて、
そのコントラストがむしろ空間の広がりを演出しているように思いました。
ドアを開け室内に入ると、まずこの風景。
視線の先にダイニングエリアがあり、その先に山々が広がっています。
エントランスは段差のないバリアフリーの床で、
黒いタイルがグレーの目地で貼られていました。
このまま中に入るのかな、それとも、ここで靴ぬいじゃうんかな。
どう感じてどう使うかは、ひとぞれぞれ(笑)
室内でカーペットに切り替わります。
モダンですよ、モダン。
革張りのソファ。
シャープでスクエアなラインを取り入れたデザインの数々。
ゼブラウッドで統一された造作家具。
ステンレスやシルバーのグレイな輝き。
和柄のモチーフを取り入れたファブリックや壁紙。
ゼブラウッドの家具。
縦柄として使ってみたり
横柄としてつかってみたり。
丸くくりぬいた天井は金色で、スケールアウトした印象的な照明器具。
和の印象を与えます。
壁はたぶん国産のビニールクロスですが、
ベージュからグレーにかけての淡い色目を付けたもので
いわゆる普通の白い壁紙はどこにもありません。
2つあるうちの1つめのベッドルームがこちら。
ゼブラウッドのダークブラウンと、藤色(モーブ)カラーで整えた空間。
もうひとつはこちら。
グリーンからカラシ色にかけてのアクセントカラー。
壁には幾何学的な模様を用いて、ここもやはり和の印象です。
で。気になる各寸法(笑)
ベッドの頭の部分にある「ヘッドボード」の高さは900㎜でした。
マットレスの高さは550㎜。
(ちなみにザ・リッツカールトンはマットレスの高さがとても高くて、70センチあります)
このようにヘッドボードよりも枕の位置のほうが高いセッティングになりますと
モダンで都会的な印象を与えますよね。
ヘッドボードの高さが高くなれば高くなるほど、豪華あるいは一般的にはクラシカルな印象になりますでしょうか。
リビングエリアに置かれた椅子。
クッション。
電気暖炉の上に壁掛けのテレビ。
テレビの取り付け高さは、床から下端1050㎜でした。ちょい高め。
ソファとの距離は2,700㎜。
ベッドルームのほうの壁掛けテレビは、
カウンターが720㎜、そこから200㎜あがったところがテレビの下端でした。
つまり床からは920㎜の位置です。
ミニキッチンエリア。
冷蔵庫の品ぞろえはこんな感じ。
お茶が170円ぐらい、だったかな。良心的な価格設定。
(チェックアウトの会計時にサービス料が上乗せされますが(笑))
ウェルカムゼリーがありました♪
(写っているシャンパン2本は、持ち込み品です)
お部屋に露天風呂がついてます。
テンションあがりますね、これ。
洗面脱衣エリアがこちら。
黒いフローリング模様のタイル貼りの床。
室内とお揃いのゼブラウッドのモダンな造作カウンター。
カウンターの高さは800㎜、奥行きは650㎜。
そこから370㎜立ち上がったところからミラー。
ステッチを入れた革張り、みたいにみえる「タイル」!の壁。
素敵でした。
目地幅はわりとランダムで、2㎜から5㎜と誤差が大きい。
そのあたりはアバウトのようです。
シンクは、DURAVIT(たぶんセラトレーディング)で、
水栓金物はアクサー(たぶんハンスグローエ)が入ってました。
造作家具は、洗面は真ん中だけ引出であとはFIXパネル。
内部はシナ材(?)の仕様でした。
これは室内もすべて同じ。
金物はLAMP(スガツネ工業)だね。
お風呂。24時間、暖かい。
気持ちいい景色。
全裸でそのままバルコニー★
これを極楽と言わず何と言おう(笑)
ミラーの額縁はゴールドで、格子を感じさせるデザイン。
その横のブラケット照明も、和モダン★
窓回りは唯一リビングに、パネルカーテンがついていました。
すべりが良くなくて、操作性悪いのが残念です~。
だからかしら、みんな変な力が入るんでしょうね、操作バトンが変形してました(苦笑)
個室の建具(ドア)は70㎜の厚さ(!)
デザインなのか、それとも防音性をもたせるためのものなのかしら。
ちなみにトイレや間仕切りのドアは40㎜の厚みでした。
上下の隠し蝶番(吊ヒンジ?)でかっこよく取り付けられていました。
はい。ホテルチェック終了です!
というわけで。
時間を忘れてゆったりと過ごせるお部屋で1泊旅行を楽しみました。
ご一緒しましたのは、
CHIC INTERIOR PLANNINGの荒井詩万さんと、
interior design SOLEILの飯塚奈津子さん。
(この旅行で、はい、すっかり裸をみせあう仲になりました。最初は恥ずかしい(?)気持ちもありましたが最後はもう全裸でうろついても大丈夫かな、みたいな)
美術館へと消えていく、奈津子さんとわたしの後姿~。
三宅 利佳(ジェイブルー)
インテリアコーディネート事務所 ジェイブルー
●インテリアコーディネーター 980877A
●2級建築士
●AFT色彩検定 1級
美しく暮らすにはそれなりの努力が必要です。
例えば掃除、整理整頓、時々の模様替えや花を活けなおしたり・・・。
どうせすぐ使うから
どうせすぐ汚すから
そう言ってやりっぱなし出しっぱなし汚しっぱなしの生活は
確かに面倒がなくて便利ですが
便利ばかりを追求していてはあっというまに雑多な空間になります。
美しい部屋、居心地の良い部屋というのは
日々手をかけ続ける面倒臭さを内包しています。
でも、そのことを放棄しないでください。
部屋は人の心を表すと思いませんか。
インテリアコーディネーターがお手伝いできるのはほんの最初の舞台づくりだけ。
「こうありたい理想の自分」を思い描いて
ぜひ素敵な住空間を維持してください。
それが、生き方にもつながるのだろうと思います。
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