クルミのリビングボード、玄関収納とナラ柾のキッチンとバックボード
今日は、Mさんのところにお邪魔してきました。昨年の暮れに工事が完了して、お引越しも終わって、暮らしもひと段落された頃です。
ご主人のお仕事先が住友林業ホームテックさんというところで、住林さんのリフォームを担当しているのです。そのようなお仕事をされていらっしゃる方に声を掛けて頂けるのは大変ありがたいことでもあり、気も引き締まることなのでした。
そして、今日。
「イマイさん、ありがとうございます。何も不具合なく気持ちよく使わせて頂いております。」
とうれしい笑顔。
そのあと、写真を撮らせて頂きながらいろいろとお話を聞かせて頂きました。
今回Mさんのキッチンで初めての試みがあったのです。それはカウンタートップを、ヘアラインやバイブレーション仕上げではなく、磨き仕上げにしたことです。
Mさんが好きな作家さんのお話の中で、磨き仕上げについてのコメントがあったそうで、ぜひそれを実践してみようということになったのでした。
ヘアラインやバイブレーション仕上げというのは、ステンレス板に模様をつけて仕上げる方法になります。
ヘアラインというのは真っ直ぐにラインをつける仕上げで、ある程度の光沢感を保ったまま、傷が目立ちにくい仕上がりになります。
バイブレーションというのは、丸く円を描くようにラインをつけることで、よりマットな印象になりキズもさらに目立ちにくくなります。
どちらの仕上がりもきれいなのですが、そのライン模様をつけるために荒いヤスリで引っかくようにして仕上げるのです。
そのヤスリで描いたラインに水がついて乾くと水の跡がつきやすいのがライン模様の入った仕上げのデメリットなのですが、磨き仕上げだと、そのラインが入っていないので、水の跡がつきにくいのです。
もちろん表面がピカピカなので、傷がついたら目立っちゃうのですが、「キズは気にしないので。」と、奥様。
それで、本日その様子を拝見させて頂いたのですが、とても美しい印象でした。
もちろん傷はついているのですが、何というか「自然とそうなっていった」という佇まいがとても美しく、とても勉強になったのです。
そして、そのほかにあらためて美しいと感じたのが、土鍋を置く場所でした。今回、いつもよりもガスコンロを壁から離したのです。
いつもはコンロとシンクの間のワークスペースを広く撮るお客様が多いのですが、Mさんはそこを狭くしても、ガスコンロを壁から距離を取りたい、ということだったのですが、その理由が今日ようやくしっくりきました。
「ご飯を炊く土鍋をここに置いておきたかったのです。」
なるほど。
そして、もうひとつ。
いつも最上段の引き出しは浅いほうが使いやすい、というお話をみなさんにさせて頂くのですが、今回はガスコンロの高さに合わせて、それなりに深い引き出しにしているのです。
深いとお箸などをしまってもスペースに無駄ができちゃうんじゃないだろうか、と思っていたのですが、Mさんはケースをうまく重ねて、さらにスプーンなどはカップに立ててしまっていて、なるほど。
いろいろと勉強になりました。
そして、バックボード(食器棚)には電子レンジがあるのみで、よく見られる炊飯器は土鍋があるので置かれていなくて、トースターも網を使ってガスで直にトーストしてしまうということで、置かれていなかったのです。
「表面がカリッとして、中はフワッとしたままで焼きあがるので、美味しいのですよ。でも目を離すとすぐ焦げちゃうけれど。」なるほど。今度自宅でやってみよう。
そして、キッチンメーカーさんのキッチンから私たちに依頼してくださることになったお話など、いろいろと興味深いお話を聞かせてくださいました。
奥様はナラ柾のキッチン、ご主人はクルミのリビングボードと玄関収納と、さらには「かなぐや」さんのオリジナルのハンドルの三つの個性が良く混ざり合ってできた何というかとても心地よいところだったのです。
今井 大輔(フリーハンドイマイ) さんの記事
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