防水シートの事務所検査でした

2016年1月25日

防水シート張りの事務所検査がありました。



防水シートは、

外壁仕上げ材の接合部等から浸入した雨水が

壁体内に入り込むことを防ぐ

最後の砦になります。 



検査の内容を簡単に言いますと

雨水の侵入を防ぐために、防水シート張りが

きちんと施工されているかチェックすることです。



木造の雨漏りで一番怖いことは、

雨水の侵入が原因で

カビや木の腐朽など発生することです。



ところで

雨漏りと聞くと、

室内に、ポタポタ落ちる雨水を

応急処置として

バケツで受ける風景を思い浮かびませんか?



しかしそれは昔の木造住宅の話で

現在、高密度高断熱住宅が主流の中、

なかなか雨漏りを早期発見しづらくなっています。



それは、

隙間が少ないため室内まで雨水が浸入せず

壁内で水が留まり、またその水が蒸発しきれず

結果、腐ったりカビが生えたりするのです。



気付く頃には、

人体に及ぼす健康被害や

木造の耐久性の劣化と

すまい空間として

大変な状態になっていることが

多いのです。


そのことを考えると、検査としては大切な項目となります。

また、10年保証の重大な瑕疵項目にもなっています。




さて、検査項目ですが

「シートに穴が開いてないか」

「張る順番は大丈夫か」

「重ね代は、きちんと、とれているか」

「シートにたるみはないか」

「シートが切れそうな部分は増し張りしているか」

「サッシ周りや貫通配管に張る防水テープの順番や長さなどきちんと張って、その上からシートを張っているのか」

「土台水切りとの取り合い部分は大丈夫か」

等など

項目としては様々あります。



しかし

そのチェックするとき一番重要なこと・・・

それは

どれくらい「想像」できるかです。



「もしも屋根や外壁仕上げ材の接合部等から浸入した場合

どのようなに雨水が流れ込むのか、

またその水が壁体内に入らずどの様に外部へと流れ落ちるのか」

想像することが一番大切なのです。


 
そこから防水シート張のより重要な部分も見え、

その部分の張り方や

その補強の仕方など

メリハリのある防水シート張になっていくのです。



具体的な話は専門的になるので割愛させていただきますが、

やはりここでも立場の違う複数の検査ができればできるほど

より雨漏り対策も万全になっていくと思います。

(個人差はあるとおもいますが・・・?)



現場検査を通して重要なことは、 

施工においても  

「どれくらい想像できるか」

が勝負なのです。



僕は、企画・設計・監理の業の中で

その想像の質や量こそが

設計事務所や施工業者のグレードであり

常に試されていると痛感しています。



今回、防水シートの防水の役割についての事でしたが

実は

もう一つ大きな役割を持ったシートでもあるのです。


それは透湿です。

文字通り湿気を透すことです。

水は入らないけど湿気は通すシートを

「透湿防水シート」といいます。



このこと次回、通気胴縁の事務所検査の時に

具体的機能の説明をしたいと思います。



ということで今日の検査は終わりましたが

一部分は再検査ということになりました。



雪の降る中で、

体の芯まで冷えてしまいましたが

車の中でのホットコーヒーは何よりも

僕を幸せにしてくれました。(笑い)



以上

防水現場検査の話でした。

岩瀬隆広建築設計

プロフィール

岩瀬隆広建築設計

想いを諦めないアイデアいっぱいの家

熊本の住宅設計を中心に新築からリノベーションまで限りある予算の中でも「質の高い心地よい住空間」を提案しています。「想い」をあきらめないアイデアいっぱいの家を目指すパートナーとしての一級建築士事務所...

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