地盤改良ってどんな種類があるの?
2016年3月18日
<木造2階建て程度としてお話しします>
前回の調査で、軟弱地盤で地盤改良が必要と判定された場合
住宅の荷重に地盤が耐えられるよう地盤補強しなくてはなりません。
そこで、どんな地盤改良が選択されるのだろうか?
地盤改良には主に、
1)表層改良(ひょうそうかいりょう)
2)柱状改良(ちゅうじょうかいりょう)
3)鋼管杭(こうかんぐい)
の3種類があります。
表層改良(ひょうそうかいりょう)
軟弱地盤の層が地表から2メートル以内の場合に
軟弱地盤層の強度を上げ、
下部の良好地盤層と一体化させて支持地盤を造る工法です。
表層改良に掛かる費用
深さ1m当り
2~3万円/坪
1階の床面積が20坪程度で、
深度1メートル程度を改良する場合、
およそ40~60万円ほどが目安です。
ただし、狭小な土地により
搬入や作業スペースの確保が難しい敷地環境や
マージンなどが積み重なる等々で
より金額が大きくなる場合があります。
深度が2メートルぐらいになると、
柱状改良の方が、
安価に抑えることができる場合がありますので
比較検討すると良いかと思います。
ちなみに、表層改良は、
それ以上の地盤補強ということなので
柱状改良や鋼管杭でも選択できます。
表層改良ついて
具体的には「地盤の専門家サムシング」のサイトが分かりやすいと
思いますので参照してください→
https://www.s-thing.co.jp/jiban_kairyo/kairyo_koho.html#15
表層改良の注意点
①改良する深さよりも浅い所に地下水位がある場合
は避けろ!
②良好な地盤が傾斜して存在する場合は
地盤の支持力に要注意!
なぜなら
傾斜で表層改良の厚さが違うということは
良好な地盤にかかる重量が違うということで
大丈夫かちゃんと計算し直さなければなりません。
③改良範囲に近接して、
隣地の家屋や塀などがある場合は、
掘削による影響を考慮すべし!
近隣トラブルの原因になりますので
事前の状況把握は必須です!!!
④六価クロム(発がん性物質)が溶出する
材料を使用してるかどうか確認すること!
使用している場合は、やめたよう!!
じぶんの家族の体だけでなく
土壌を伝わり近隣にも影響を及ぼします。
また土地の不動産評価も下がる場合がありますよ。
<六価クロムについて>
具体的には「地盤の専門家サムシング」のサイトが分かりやすいと
思いますので参照してください→
https://www.s-thing.co.jp/column/jiban_kairyo/post_9.html
柱状改良(ちゅうじょうかいりょう)
柱状改良とは
軟弱地盤が2メートル以上8メートル以下の場合に用いられる方法で、
土の中にコンクリートの柱を造ってしまう方法です。
具体的には「地盤の専門家サムシング」のサイトが分かりやすいと
思いますので参照してください→
https://www.s-thing.co.jp/jiban_kairyo/kairyo_koho.html#14
柱状改良に掛かる費用
4~5万円/坪
1階の床面積が20坪程度で、
深度4~5メートル程度を改良する場合、
およそ80~100万円ほどが目安です。
ここでも表層改良と同じですが
狭小な土地により
搬入や作業スペースの確保が難しい敷地環境や
マージンなどが積み重なる等々で
より金額が大きくなる場合があります。
柱状改良の注意点
①柱状改良部に基礎の接地面が
既定以上確保しろ!
②宅地内に擁壁がある場合は
柱状改良部を底版に当てないように!
③工事には水道が不可欠!
④その土地が埋蔵文化財包蔵地内である場合は、
調査が入るため着工が数か月遅れる場合がある。
⑤表層改良と同じくセメント系を使用する場合は
六価クロム(発がん性物質)が溶出する材料を
使用してるかどうか
確認すること!
※六価クロムについて
具体的には「地盤の専門家サムシング」
のサイトが分かりやすいと
思いますので参照してください→
https://www.s-thing.co.jp/column/jiban_kairyo/post_9.html
◇◇◇ここで環境にやさしいナチュラルな柱状改良はこれだ!!◇◇◇
これまでセメント系の柱状改良の
地盤改良をはなしましたが
その中での注意点でもはなした
土地の不動産価値が下がる心配がある
と言われています。
その中の六価クロムという発がん性有害物質が
発生する恐れや、
地中に立てた杭が埋設物と
みなされるため
土地を手放す際に産業廃棄物として
撤去する大きな費用がかかるなど。
例えば
たまに見かけると思いますが、
つぶれたガソリンスタンドや工場など
長い間そのままにしていることの
大きな要因として
上記の事が大きく
関わっているからでしょう。
ちなみに
売地を探す際も以前の状況を把握すること、
その後
どのような処理されているか
把握することも大切です。
そこで現在、セメント系でない砕石を使った
地盤改良の工法があります。
これは支持層まで掘った穴の中に
天然の砕石を30cm程度ずつ入れ
柱状に転圧して固めることで
建物を支えるという、
環境にやさしく撤去の心配も要らない方法です。
また天然砕石の杭は水を通しやすく、
周囲の地層の水圧をうまく吸収して
液状化を抑制するものです。
費用的にはセメント系の2~3割増程度となります。
詳細は「参照元:ハイスピードコーポレーション㈱
新地盤改良工法 | HySPEED工法 | ハイスピードコーポレーション」
より参照してください」→
http://www.hyspeed.co.jp/kairyo/
値段は高くなりますが
家を建てることは、
これから自分の家と土地に
投資していくのだと考えると
安い値段だけでなく
今後のじぶんの資産として
考えることも重要かと僕は思います。
鋼管杭(こうかんぐい)
鋼管杭とは
建物の地盤が軟弱な場合に
地中に打ち込む鋼製の杭のこと。
軟弱地盤が深度2m以上で、
狭小地など大型重機の搬入が難しい場合に行います。
深度30mまで工事可能です。
具体的には「地盤の専門家サムシング」のサイトが分かりやすいと
思いますので参照してください→
https://www.s-thing.co.jp/jiban_kairyo/kairyo_koho.html#16
工期は通常1日から2日ほどで、
狭小な現場にも対応可能です。
鋼管杭の長さを決める際の先端を支持地盤は、
N値≧15が2m以上連続していなければならない。
鋼管杭工事に掛かる費用は
6~7万円/坪
1階の床面積が20坪程度で、
深度5~6メートル程度の鋼管杭工事の場合、
およそ120~140万円ほどが目安です。
以上一般的な3種類の地盤改良をおはなししました。
地盤改良する場合、60万円~150万円、
場合によってはそれ以上かかる場合があります。
金額からすると
追加金額とはいかないくらいの大きさですので
まずは設計のできるだけ早い段階で
一度調査することをお勧めします。
次回は
④その地盤改良工事は本当に必要か?
過剰で無駄?
をおはなしします。
以上
③地盤改良ってどんな種類があるの?
そしていくらぐらい?
でした。
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岩瀬隆広建築設計
想いを諦めないアイデアいっぱいの家
熊本の住宅設計を中心に新築からリノベーションまで限りある予算の中でも「質の高い心地よい住空間」を提案しています。「想い」をあきらめないアイデアいっぱいの家を目指すパートナーとしての一級建築士事務所...