雑草魂‐1481‐
2018年5月11日
雑草魂‐1481‐
ゴールデンウィーク中は、海と湖のことを書きました。
建築設計が好きでこの仕事に選んだのに、「休みは野外に居たい」というのは、少し矛盾するかもしれません。
自分なりに考えてみると、やはり小学校時代の経験によるのだと思います。
自宅の1kmほど南を流れる大和川。
小学校時の教科書には、「日本で一番汚い川」として紹介されていました。
周辺にはため池も沢山ありました。
簡単ではありませんでしたが、どこの学校にもいる釣り名人に教えて貰ったり、自分で工夫したりで、フナ、コイ、ザリガニ等を獲って遊んだのです。
近くにある、西除川との合流点は、やはり大物が釣れました。
童謡「故郷」にある「水は清き故郷」とは随分趣きが異なりますが、いつも変化する、自分の思い通りにならない野外で、工夫し遊ぶ楽しさを知ったのです。
この時期、土手は青々とし、花もちらほら咲いています。
紫の花はマメ科の花か。
雑草の中のエリートは、誰もが知るシロツメ草。
白と黄の花は、キク科でしょうか。
しかし何と言う名か分かりません。
当時は、土手の北に城東貨物が通っていました。
この土手は、ダンボールのソリで遊ぶにはもってこいの場所でした。
アトリエmは天王寺で設立したのですが、2002年に地元の平野に戻りました。
2003年、弟の家を設計し、その1階に入居しました。
それまでの間は、隣に見える倉庫を仮アトリエとしていました。
まさにバラック。
これは父の会社の倉庫で、無料で借りていたのですから、文句など言えませんが。
会社は大阪の中心地にあるほうがイメージはよいはずです。
それでも、「自分が設計した建築」、「駐車場が前にある」、「自宅が近い」という3つの理由で、この地で頑張ってきたつもりです。
昨年は倉庫の跡地に「R Grey」を設計しました。
弟がオーナーの、アトリエmとしては初めての共同住宅です。
1984年、「投げたらアカン」という言葉が流行語大賞に選ばれました。
座右の銘、「草魂(そうこん)」で知られる近鉄の鈴木啓示投手の言葉です。
現在では考えにくい300勝投手です。
今年ジャイアンツに10年振りに復帰した、上原浩治投手の座右の銘は「雑草魂」。
一浪し、野球の名門とは言えない大体大から、ジャイアンツ、そしてアメリカメジャーリーグでの成功を収めました。
クライアントにとっては、大阪一、日本一、世界一の建築家でいたいと思っているので、雑草魂を語るのは少し違うかもしれません。
しかし、親が医師、家が芦屋の六麓荘、旧帝大に合格した等の友人、知人をみていると私など雑草以外の何物でもありません。
常に変化し、自分の思い通りにならない自然。
その自然の中に、安全で安定した、しかも光と風と笑顔に満ちた空間を創造したいのです。
しかし、現実は問題、課題の連続です。
そこから逃げずに、踏まれても踏まれても立ち上がるしかないのです。まさに「雑草魂」です。
琵琶湖を「マザーレイク」と言いますが、私にとって母なる川は大和川か……
ちょっと様になりませんが、縁あって下町に生まれたので仕方ありません(笑)
勿論、それを卑下するつもりもありません。
京セラ名誉会長の稲盛和夫さんは、「人生は運命という縦糸と、因果応報という横糸が織られ、形作られる」と言いました。
ゴールデンウィークぼけをしている暇など、雑草にはありません。
何があっても、立ち上がり続けるだけなのです。
■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「羽曳野の家」放映
■■■『住まいの設計05・06月号』3月20日発売に「羽曳野の家」掲載
■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...