脳神経外科「Uクリニック」‐1‐プロローグ
2019年4月11日
脳神経外科「Uクリニック」‐1‐プロローグ
南大阪の幹線道路北側に「Uクリニック」の計画地はある。
間口は15m程あり、日当たりもよい。
全面道路はひっきりなしに車が往来し、駅が近いこともあって、自転車、歩行者も多い。大変に活気のある通りだ。
3月末、土地の掘削から工事がスタートした。
この地に木造2階建ての、クリニックを新築するのだが、本クリニックは脳神経外科・内科が標榜されている。
院長はドイツ留学などを経て、その職能を研鑽してきた。脳に対しての高い専門性が一番の特徴である。
設備においての特徴は、CT、レントゲン等とともに、最新鋭のMRIを備えていることだ。
MRIは、磁石による強い磁波と電波を使って、体の断面映像を撮影するので、被ばくがなく体に優しい医療機器なのである。
最新鋭の医療機器を導入するために、キュービクルという小さな変電所も敷地内に設ける必要がある。
建物のコンセプトは回を改めようと思ったのは、現場を視察したからだ。
良い診療をするためには、最先端の医療機器も必要だし、広い待合も欲しい。
法が許容する最大の建物を計画することになり、工事車両を止める余白もない。
しかし、建物西側にはキュービクル置場がある。
それもギリギリで計画したのだが、職人はここに工事車両を停めるという。
後輪の半分は、空中を通過しながらも見事に納まった。
これも日々の研鑽の成果と言える。
西も北も境界ギリギリ。
東の奥もギリギリ。
道路側もギリギリ。
何もかもギリギリだが、数センチの精度で、ユンボを操る様を見るのはとても楽しい。
実業の誇らしさを感じる瞬間だ。
昨年だったか、ある映画監督がITを「虚業」と表現した。それに対し、ITの寵児が牙をむいたというニュースがあった。
表現の自由は常にあるが、他者を非難する必要はない。ただ、気持ちとしては理解できる。
この不器用な男たちの力仕事と技術なくして、建築という実業はなりたたないのだ。
どんなクリニックとするのか?
ここまでに院長とは20回程の打合せを重ねたが、コンパスは同じ方向を指していると確信している。
その成果をこの秋に収穫するつもりである。
文責:守谷 昌紀
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...