「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」 「い・い・か・た」‐7‐
2020年5月10日
今年のゴールデンウィークは今日と明日以外、ほぼ晴れだったと思います。
この時期は意外に天気が安定せずで、旅先でも降られたことも結構ありました。
今年は”STAY HOME”ということで、何だか恨めしいと言えば恨めしい。
しかし建築の写真を撮るのは晴れに限ります。
「紺色」というコンセプトは、早い段階で決まっていたのですが、春の淡い青空に良く映えています。
玄関上の庇はかなり跳ねだしていますが、板金で仕上げました。
柱のない広い軒下は、とても価値があるはずです。
1階は個室が集まっていますが、大工チームは階ごとや、部屋ごとに分かれていることが多いのです。
棟梁は1階担当のようで、現場に着いたらまず顔を見に行きます。
2階はベテランのAさんが担当してくれたのですが、ほぼ下地が張り終わっていました。
ハイサイドが中央にあり、とても明るいので2階の方が勿論のこと気持ちが良い。
普通なら2階を担当したいと思うのですが、どんな基準で仕事場を振り分けるのか、今度棟梁に聞いてみようかなと。
現場打合せも、自然と2階ですることになります。
クライアント夫妻は、私と監督の長い打合せにも「本当に楽しい!」と言ってくれます。
よって、監督もいつも以上に気合が入って説明をしているの図です。
リノベーションでは屋根裏を狙いますが、今回も天井は全て撤去しました。
ただ、屋根面と梁が取り合う部分は、相当手間が掛かります。
ベテラン大工のAさんも「ちょっと骨が折れました」と笑っていました。
黄昏ている訳ではないと思いますが、勿論のこと感謝の気持ちを伝えたのです。
仕事が大変であればある程、空間には手跡が残り、思い入れと、物語りが織り込まれます。
それで、私は現場チームが嫌がることばかりお願いすることになります。
船長の最大の役割は、航海を成功させることです。
密室である船内で、クルーと喧嘩ばかりでも困りますが、ご機嫌をとっていて、船が難破してのでは話になりません。
「幸せな家を建てる」という航海の舵取りを任せて貰ったなら、人に良く見られたいとか、上手くやりたいという気持ちはぼぼゼロです。
ただ、言い方は大事です。
「ほんとに悪いんだけど、ここは、こう納めて貰えたら嬉しいんだけど……もし、ああ納めたら多分夢にでてきてうなされると思う……」
色々な仕事をさせて貰ったので、自分の経験を総動員して、話し合います。
ただ言葉の綾でなく、ほんとに夢にでて来たことが一度や二度ではないのですが。
ドラマなんかでもよくあるあのセリフの通り。
「い・い・か・た」
なのです。
文責:守谷 昌紀
■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に
巻頭インタビューが掲載されました
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【News】
■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
■『homify』5月7日に「碧の家」掲載
■『houzz』4月15日の特集記事 に
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
■「トレジャーキッズたかどの保育園」が
地域情報サイトに掲載されました
■大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
■ 『住まいの設計05・06月号』3月20日発売に「回遊できる家」掲載
■『homify』6月29日に「回遊できる家」掲載
◆メディア掲載情報
◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...