「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐11‐思い立ったが吉日だった
2020年7月28日
「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐11‐思い立ったが吉日だった
2019年の年始にオファーを貰ったこちらの計画。
6月末に、施主検査という区切りを迎えました。
この1年半にお会いした回数は30回。
半分の15回が、現場での打合せでした。
リノベーションにおいては特に、現場打合せが仕上がりの差を生むのです。
エントランス前の階段とスロープは、クライアントの生活動線、これまでの経験、そして美しさとコストを含めて何度も検討しました。
「とても良い感じ!」と言って貰ったのです。
この計画の目的であり、テーマは以下の通り。
ときめく 笑顔でいられる 家にいる時間が大事 ファンキー
ファンキーを一手に引き受けてくれたのがこの玄関です。
エントランスからすぐの洋室。
ピンクの壁が、ピンクの建具に写り、よりピンクに。
こちらもファンキー?
引戸を開けると廊下にピンクが漏れ出していますが、ここには小さな隠し扉。
大工の腕の見せ所です。
廊下突き当りにある洗面と浴室。
大きくはないだけに、ミリ単位の精度で既製品を造り付け家具のように納めています。
ミラーキャビネット下、モザイクタイルに気付いて貰えるでしょうか。
最奥にある寝室は、ウッドデッキを備え、明るさ、機能とも充実しています。
目隠しルーバーの上下に、隣地の庭を借景として取りこんでいます。
ここは洗濯干し場。
雨天時用のホスクリーンが室内に見えていますが、これは取外しができる優れものです。
ガラス棚を備えたアクセントクロス。
遊び心が溢れておるのです。
2階のフロアキャビネットも予算の関係で、既製品となりました。
しかし、知恵を絞って母、娘が一緒にお化粧が出来るスペースを何とか捻出しました。
モザイクタイル中央、鏡がまだだったのが残念でしたが。
キッチンに立つと東西に流れる風を感じることができます。
バルコニー側には横長の窓と引戸があり、そこを開けると一気に風が通り抜けるのです。
この日は天気も良く、御陵の緑が目に鮮やか。
絶景、一歩手前くらいでしょうか。
最後に、先日届いたクライアントのメールを一部抜粋してみます。Hさん勝手して済みません。
もう、現場打ち合わせがないと思うと少しさびしく思います。
何気にあの色々なお話が楽しかったものですから。夫婦共々そう思っています。
ただ、もう一度1年半前に戻って、1からリノベーションのことを考えるのは、とてもじゃないけど大変なので、思ったときに行動していて大正解だと振り返って思います。
思い立ったが吉日。
私が設計するかは別にしても、オファーという行動がまず大きな決断で、大変な行動力を必要とします。
その決断をした時点で、成功は確約されていると私は思っています。
「こんな暮らしをしてみたい!」
そう思った瞬間に、その夢は実現したに等しいのです。ただ、行動に置き換えるという条件だけは付きますが。
この日、2階へ上がった瞬間、奥さんが歓声を上げて喜んでくれました。
「ずっとここ居たい」と言われたので「もう現場じゃないので、奥さんのものですよ」と笑っていたのです。
さて、この「ときめく紺色の家リノベーション計画」を楽しんで貰えたでしょうか?
次回は2ヵ月点検で、その次が撮影をイメージしています。私自身も、いまから楽しみにしているのです。
文責:守谷 昌紀
■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に
巻頭インタビューが掲載されました
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【News】
■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
■『homify』5月7日に「碧の家」掲載
■『houzz』4月15日の特集記事 に
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
■「トレジャーキッズたかどの保育園」が
地域情報サイトに掲載されました
■大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
■ 『住まいの設計05・06月号』3月20日発売に「回遊できる家」掲載
■『homify』6月29日に「回遊できる家」掲載
◆メディア掲載情報
◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...