翻訳の名前
2012年6月4日
今、ペーター・ツムトア著『建築を考える』を読んでいます...。
うーん、本当に美しい、いい本…。
ブックデザインまで含めて、本当に美しい本だと思います。
サラサラ読むのは、もったいないので、チマチマと読んでいて、まだ読み終わっていません…。
なので、本の感想は、また機会があれば…。
この本の著者、ペーター・ツムトアは、スイスの建築家なのですが、これまで、ずっと、「ピーター・ズントー」という名前で紹介されてきました。
新聞などに掲載された、この本の広告には、「ズントー改め、ツムトア」なんて書いてあって、別に、今更名前を改めたわけではないだろうに、どういうことなのかなあ、と思っていたのですが、どうやら、著者の、ツムトア自身の要望みたいです...。
出版社のHPを見たら、担当編集者の方の文章が載っていて、この本を出版するにあたって、以下のような要望があった、と書いてありました。
「私の本は、ドイツ語版から翻訳してほしいんだ。英語版は、私の文章という気がしないから」...。
もうすでに、すっかり、「ピーター・ズントー」で名前が通ってしまっていたので、今更改めなくてもいいのではないかなあ、と、勝手に思っていたのですが、この文章と、本を読んで、納得しました…。
翻訳書の著者が、自らの文章のニュアンスや、名前の発音の仕方などに、どの程度こだわりをみせるのが一般的なのか、よく知らないのですが、ツムトアが見せた、このような細部、というか、手触りのようなものへの、こだわりは、この人のキャラクターや建築にも通じているようで、なんとなく、グッと来ました…。
ツムトア氏に関しては、以後、すべての日本語表記を、ドイツ語読みに近い、「ツムトア」で統一した方がいいと思います…。
それにしても、そうなってくると、気になるのは、なぜ、ずっと、英語読みに近い、「ピーター・ズントー」で通ってきたのか、ということです...。
話は、以下に続きます...。
http://blogs.dion.ne.jp/k_nakama/archives/10784902.html
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仲摩邦彦建築設計事務所
ひとつひとつ丁寧に取り組んでいきたい、と考えています。
建築は、建築主であるお客様や、様々な条件・環境等の、出会いや組み合わせにより生まれるものであり、それぞれが、その機会でこその個性的なものだと考えています。 「これしかない」と納得できるようなものを...