街の文脈

2012年6月7日

ずっと工事をしていた東京駅ですが、いよいよ完成が近い、という話を聞きました。

この東京駅は、辰野金吾設計で、大正3年(1914年)に完成したものです。

元々は、丸屋根の架かった、三階建てだったものが、昭和20年の空襲で消失し、修復される時に、丸屋根ではなくて、もっと簡単な三角屋根の、二階建てに変えられていました...。

今回の工事では、構造や機能上の補強・拡大とともに、この丸屋根を復元し、創建当時の外観が再現されることになるのだそうです...。

創建当時の、元々の姿が見られるのは、とても楽しみなのですが、一方で、こうした話題の時に、いつも気になることがあります。

それは、三角屋根の東京駅として過ごした60年の時間や記憶は、どこにいってしまうのかなあ、ということです…。

すでに、再建されてから、60年以上の歳月が経っているわけですから、多くの人にとって、東京駅と言えば、創建当時の丸屋根三階建ての姿ではなくて、これまでの、三角屋根二階建ての姿なのではないでしょうか…。

古い建築が取り壊されそうになった時、必ず、多くの人びとが愛着を持っている建築なので、そのままの姿で保存すべきである、といった主張がされるのですが、そういった議論は、この東京駅のオリジナルの復元については、どのように当てはめられるのでしょうか…。

多くの人にとって、「愛着を持っている」のは、むしろ、今現在の姿であるわけですから、ほとんどの人が、一度も見たことがないような、オリジナルの状態を復元するというのは、どういうことなのか…。

少し話はそれますが、こんなことも…。

話は、以下に続きます...。
http://blogs.dion.ne.jp/k_nakama/archives/10727508.html

仲摩邦彦建築設計事務所

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ひとつひとつ丁寧に取り組んでいきたい、と考えています。

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