隅っこの方で...。

2013年7月5日

先日、
深川不動燈明塔を観てきました...。





この建造物は、
日清戦争の勝利を記念して、
建てられたものだそうです...。

「設計及び監督技師」は、
佐立七次郎...。

現在でいう東大建築学科の第一期卒業生...。
つまり、
日本で最初の建築家である4人の中の一人です...。

近代日本を背負っていくことを期待された、
スーパー・エリートでありながら、
その後、
何故か、ドロップアウトしてしまい、
あまり多くの仕事をのこすこともなく、
歴史から消えていった、
謎の「ひねくれ者」です...。

なんとなく興味深くて、
以前にも、
別の作品の写真を載せて、
このブログで紹介したことがあります...。

その時に紹介した、
国会議事堂のそばにある、
「日本水準原点標庫」と、
この「深川不動燈明塔」...。

東京では、多分、
この二つの作品しかのこっていません...。
(私が知らないだけかもしれませんが...)

どちらも大変小さくて、
何てこともないような、建造物ではありますが、
そんなことを思ってみると、
何となく面白く見えてきます...。

立て看板の解説を見ると、
竣工当初には、
この上に、八角形の部分があったようですが、
関東大震災の時に倒壊して、
その後は、現在の姿になっているようです。





元々は、
深川不動尊の境内南東地に建っていたそうですが、
平成19年に、
江東区指定有形文化財となり、
現在地に移設された、とのことです...。

それにしても、
その移設された「現在地」というのが、
プレハブの納札所の裏の、
境内の外(ギリギリ内側なのかな?)で、
ほとんど、
敷地の裏側って感じのところでした...。

もう少し光の当たる場所に置いてあげられないものか、
とも思いましたが、
まあ、
取り壊されずに、のこっているだけでも、
よかった、と考えるべきなのでしょうかね...。

こういうのは、
つくった人のキャラクターもあるのでしょうか...。
「文化財」とは言っても、
ほとんど、
誰にも注目されていないようでした...。

同級生で、
近代国家建設の夢に燃えた熱血漢、
辰野金吾が、
東京駅の復元で、今また脚光を浴びる中、
こちらの方は、今なお、
隅っこで、誰に顧みられることもなく、
ひっそりと建っていました...。





http://blogs.dion.ne.jp/k_nakama/archives/11239913.html

仲摩邦彦建築設計事務所

プロフィール

仲摩邦彦建築設計事務所

ひとつひとつ丁寧に取り組んでいきたい、と考えています。

建築は、建築主であるお客様や、様々な条件・環境等の、出会いや組み合わせにより生まれるものであり、それぞれが、その機会でこその個性的なものだと考えています。 「これしかない」と納得できるようなものを...

仲摩邦彦建築設計事務所の事例

  • YK-House

    YK-House

  • MS-House

    MS-House

  • OT-House

    OT-House

  • 酒楽和華 清乃

    酒楽和華 清乃

  • 惣菜かぼす

    惣菜かぼす