「作品」としての家

2013年7月22日

作家、林芙美子の家を見学してきました...。





広い庭の中に、
二棟の平屋の家が、
緑に埋もれるように、建っています...。

二棟に分かれたようなかたちは、
元々、
戦時中、建築出来る大きさに制限があったので、
苦肉の策として、
二棟に分けて許可をとり、
後で繋いだためなのだそうです...。





でも、
かえって、それがよかったみたいで、
生活の場と、仕事の場が、
合理的に分離出来ているし、
なによりも、
建物が大きくなり過ぎず、
庭の緑にも、
ちょうどよく、馴染んでいるように思いました...。

設計した山口文象は、
1930年、激動のヨーロッパに渡り、
バウハウスの創始者、
ヴァルター・グロピウスのアトリエで働き、
当時の、近代建築の動向を見聞して、帰国...、
その後、
最先端の近代建築で、活躍した...、
というような人で、
こうした和風の住宅は、
ちょっと意外な感じがあります...。

当時、この家も、
彼の建築作品として発表されることはなかったようです...。

ただ、
今では、
彼の代表作のひとつ、
ということになってしまっているみたいです...。





実は、山口文象は、
大工の棟梁の家に生まれ、
家業を継ごうとしていた時期もあった、
というような一面も持っていたそうです...。

当時の彼は、
最先端の近代建築をつくる、
前衛的な建築家であろうとしていたようですが、
やはりそうした面も持っていたのでしょうね...。

今となっては、
こうした和風の木造住宅が、
代表作の一つと言われても、
彼のもう一つの面を表すものとして、
別に違和感もなくなりました...。

解説によると、
林芙美子は、こんなことを書いています...。

話は、以下に続きます...。
http://blogs.dion.ne.jp/k_nakama/archives/11256620.html

仲摩邦彦建築設計事務所

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仲摩邦彦建築設計事務所

ひとつひとつ丁寧に取り組んでいきたい、と考えています。

建築は、建築主であるお客様や、様々な条件・環境等の、出会いや組み合わせにより生まれるものであり、それぞれが、その機会でこその個性的なものだと考えています。 「これしかない」と納得できるようなものを...

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