日本26聖人殉教記念館

2014年3月11日

日本26聖人殉教記念館…。





学生の頃に、はじめて見学に行った時には、
まだ、近くにそれほど高い建物がなくて、
かなり遠くの方から、
丘の上の、奇妙な塔が見えていました…。

そして、
丘を登るようにして歩いて行くうちに、
一気に視界が開け、
この建築が姿を現した時には、
本当に、
「なんだ、これは!」って感じでした…。

まさに、異形の建築…。

その用途は、
キリシタン禁制の江戸時代に処刑された、
26人の殉教者を記念する、
聖堂と資料館なのだそうです…。

なぜ、こんな異形の建築になったのか、
設計者による、
設計意図を読んでみると…。

「聖堂の全構成形態に殉教者を賛美する天使のイメージを心に描き、
 その双塔は天使の翼の表徴と考えた」…。

「建築群の宗教的シンフォニーの旋律化を企図した」…。

こちらの方もまた、
「なんだ、これは!」でした…。

私には、当時(今も)、
(多分)あまりにも深すぎて、
何のことやら、
さっぱり、わかりませんでした…。





設計者である建築家、今井兼次は、
ヨーロッパに学び、
スペインの建築家、アントニ・ガウディを、
日本へ紹介した人としても知られています…。

ということで、当然、
その影響が強く感じられる、
丘の上に、ニョキニョキとのびた奇妙な塔や、
モザイクの壁画に注目してしまいます…。

確かに、
それらが強烈な印象を与えていることは間違いないのですが、
それらに圧倒されて、しばらく眺めているうちに、
重量感溢れる、
コンクリート打放し部分の、確かな造形や、
全体の見え方を、計算し尽くした、巧妙な配置、等々…、
が観えてくるような気がしました…。

最初の「なんだ、これは!」という衝撃だけではない、
深みがある、という感じでしょうか…。

異形で、わけがわからない(私には)、
しかし、
不思議と、胸をうつ、
忘れることの出来ない、印象的な建築…。

これは名作だと思います…。





http://k-nakama.tumblr.com/post/79238172534/26

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