テラダモケイ「1/100建築模型用添景セット」にハマる大人が急増中！

一番人気の、初心者でも作りやすい「お花見編」。建築模型は1/100、1/50の縮尺で作ることが多いが、「建築模型用添景セット」も1/100のスケールで作られている（1/50シリーズもあり）。


家づくりを経験した人ならご存知かもしれないが、図面だけではわかりにくい、建物の大きさや間取りなどを立体的に見せるのが建築模型だ。人や家具、車など建物以外の模型は「建築模型添景」と呼ばれており、「添景」の名の通り、メインの建物を引き立たせる添え物的な存在だ。建築設計事務所やデザイン事務所で、スタッフが紙を切ってコツコツと手作りしていることが多いが、その労力を軽減するために、量産して製品化したのが、テラダモケイの「建築模型用添景セット」（税別1500円）だ。

　建築模型は1/100、1/50の縮尺で作ることが多いため、「建築模型用添景セット」も1/100のスケールで作られている（1/50シリーズもあり）。発売当初は「住宅編」（No.1）「オフィス編」(No.2)といった、実際の建築模型の添景として使われるベーシックなものだったが、シリーズを重ねるうちに建築模型添景にとらわれず、趣味として楽しめる模型として幅広いラインナップになっていった。毎月新しい製品がリリースされているが、最新版は7月に販売された「スラムダンクシリーズ」の「湘北高校編」（No.46）と「陵南高校編」（No.47）。

　テーマは「お花見編」（No.11）、や「ぶどう狩り編」（NO.36）、「クリスマス編」（No.8）など時期に合わせたものや、「街路樹編」（No.10、24）と「公園編」（No.17、18）など、シリーズを組み合わせて楽しむことができるものなどさまざまだ。一番人気は初心者でも作りやすい「お花見編」。二番目に人気なのは、ピアノリサイタルや弦楽四重奏、ジャズセッションなど、組み合わせによって情景が楽しめる「オーケストラ編」（NO.9）。

　企画、デザインを手掛けているのは、『15.0％』アイスクリームスプーンのデザインも担当している建築家、インテリア＆プロダクトデザイナーの寺田尚樹さん。テラダデザイン一級建築士事務所には、テラダモケイの全シリーズを展示販売するショールーム「寺田模型店」が併設されている。ショールームは土・日のみの営業だが、小学生から大人まで男女を問わず幅広い年齢層が訪れる。ショールームの入口では、テラダモケイのブランドロゴにも使われている人型の「原器（げんき）くん」1/1モデルがお出迎え。

「シリーズを作っていくうちに、全部作りたくなるという方も多いですね。A3ほどの大きな紙の土台に、いろいろなセットを作って世界観を広げていく作品を見せていただいたこともあります。夏休みは自由課題を製作する小学生のお子さんもいらっしゃいます。手が小さい子どもだと、逆に作りやすいということもあるようです。また、テラダモケイの大ファンになった小学生で、テラダモケイを参考に自分で紙を使ってオリジナルモデルを作ったという男の子もいました」（寺田模型店　足立睦店長）

　1枚のシートにプラモデルのようにパーツが配置されているので、カッターで切り離して、台紙に糊付けをして組み立てていくのが基本。人だと足首のところで折り曲げて立たせたり、そのままの形で立つものも。人でも男性、女性、子ども、筋肉質、ふくよかなど体型や大きさもバリエーションがある。

　細かい作業が嫌いという人でなければ、だれでも作れるものが多く、初心者は「お花見編」や「街路樹編」など平面的なものがおすすめ。立体的になると難易度が上がるので、慣れてきたら「水辺の公園編」（No.30）のスワンボートや、寺田さんの大好きな映画「ライトスタッフ」のオマージュ作品「マーキュリー宇宙飛行士編」（No.41）の宇宙船に挑戦してみてはいかがだろう。

「縮尺も忠実にしており、「田植え編」（No.44）では、実際の田んぼが30cm間隔で田植えを行うので、組立サンプルでも間隔を3mmにしてあります。かかしやカルガモなども配置してあり、こちらはとても人気があります。上半身、脚など自分でカットしたパーツで泳ぎ方を表現する「競泳編」（No.23）も、比較的簡単に作れますが面白味のある作品です。また、ひたすら四十七士を作る「忠臣蔵・討ち入り編」(NO.29)、物語の発端である「忠臣蔵・松の廊下編」（No.39）は歴史好きの人に挑戦していただきたいですね」（足立さん）

　スペシャルエディション版も人気が高く、秋葉原駅と東京駅にある鉄道デザイン雑貨ショップ「TRAINIART（トレニアート）」でのみ販売している（※注・寺田模型店では販売はしていない）、オレンジ色の「中央線201系」は、鉄道マニアの間でも評価が高い。車内の座席やつり革まで再現しており、「基本編」（No.3）などのセットを組み合わせることで、満員電車にしたり、ホームに人を配したりとさまざまな演出もできる。

「作るのが面倒」という、ぐうたらな人には、台紙を折り上げてポーズを作るだけの「1/100 グリーティングカード」（封筒付・税別552円）や、「1/100 コースター」（税別580円）がおすすめ。カードは立ち上げ方によっていろいろなシチュエーションの展開が可能。たとえば写真にあるピンクのカード「ちゅ。編」（No.4）だと、人と人の距離を変えたり、絡ませたりすることで、ラブラブモード全開にもなれるし、ビンタをくらわす修羅場シーンもできるので、愛の告白や、三くだり半をたたきつけるときなど、マルチに使えそう。

　今年の4月に発売された「テラダモケイの絵本」は、添景模型で作られた見開き10ページの絵本。第1回の配本は「「1/100　ももたろう」と「1/100 しらゆきひめ」（各税別1，500円）で、だれもが知っているストーリーを寺田さんのテイストでアレンジしている。絵本に使われた模型も「建築模型用添景セット」として「桃太郎編」（No.42）と「白雪姫編」（No.43）が発売されているので、子どもと一緒にオリジナルのストーリーを作ってみるのも面白そうだ。

「プラモデルはそのものを再現して楽しむというところがありますが、テラダモケイはいい意味で雑に作っているというか、省略しているところがあるので、その部分は想像力を働かせて補っていただくというところを目指しています」（足立さん）
ジオラマぽく仕上げたり、おもちゃと組み合わせてみたり、観葉植物の上に載せてみたり、遊び方にルールがないのがテラダモケイのルール。作り手の妄想力もとい、想像力で自由に遊んでみよう。

下北沢にあるショールーム「寺田模型店」は土曜、日曜のみの営業。ネットショップや、六本木ヒルズ アート＆デザインストア、ロフト、マルノウチリーディングスタイルなどの店舗でも取扱がある。

この記事はyahooニュースより転載しています