LDルーム

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103号室のLDルーム。

内覧に来てくださったある女性の方が、
この部屋のところにずーっと立ち止まってなかなか動かないのです。
「どうしてでしょう、えー・・・どうしてなのかしら・・・」とつぶやいているのです。
なんだろうと思って聞いてみるとこんなことをおっしゃってくれました。
それがそっくりそのまま、103号室のLDルームの説明になりますのでご紹介します。
(だめ?)

「このお部屋。よく見るとけっこうな数の色が使われてるんですね。
緑・・黄緑、青、水色・・グレー・・・黒・・・茶色・・・で。そこに赤!
なのにどうしてこの部屋がまとまってるように感じられるのか、すごく不思議なんです!!
柄もインパクトがあったり、派手だったりするのに・・・なぜかすごく落ち着く空間に感じる。すごいです、ここ・・・なんかすごいです。
それに、本当に・・・よく見ると、テイストが揃っていないというか、バラバラというか、いろんなものがミックスされていますよね・・・。
例えばこの照明、赤いコードが特徴のカラヴァジオ。
めちゃめちゃ「北欧モダン」じゃないですか。
なのに、ダイニングテーブルのガサっとした「ビンテージ」のラフな感じとか。
で。トリムのついた「エレガント」なカーテン。
なのに「ナチュラルカントリー」なグレーの椅子を1脚、置いちゃう。
大胆だけどモノトーンで引き締めている、壁の大きなフレームはもろに「モダン」
で、1つだけじゃなくて、その隣にもう一つまた大きさの違うフレームを並べてくるところとか・・・。
フクロウやネコのクッションは、ちょっと「ノスタルジック系」
こんなバラバラなものをミックスしてあるのに、すごく落ち着ける空間にまとめあげているなんて・・・。
プロです、凄すぎます!」

その言葉を頂きまして私は思いました。
(いや、あなたのその解説のほうがよっぽどすごいっす(笑))
(よし、これをそっくりそのままブログで使わせていただこう(苦笑))

お部屋の説明すら、ついにお客様のほうにしてもらうようになった
情けないコーディネーター、りかです、どーも。


というわけで、103号室のLDルームは、
ソファダイニングというレイアウトでのご提案にいたしました。
私はよく「ファミレススタイル」と言ってしまっているのですが(笑)
くつろぐソファと、食事のダイニング機能を合体させ、
部屋を最大限に使って生活するスタイルのご提案にしています。

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スローフード。
朝ご飯。
そんなイメージのセッティング。

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男の隠れ家ルームとの位置関係は、こう。
統一感をもたせるために、窓回りは同じプランニングとしました。
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切り替えのドレープカーテンは、
無地のモスグリーンの部分がベルギーのブランド「WIND」で、
ZENというシリーズの色品番38を使用しました。
柄の部分はイギリスの生地で綿100%の素材です。

レースカーテンをつけないかわりに採用したのが、
ルーセントホームのシェルシェード。
「コードレス・トップオープン」のタイプです。
上げたり下げたりという操作が、上にも下にも出来るという
変わった動きをさせられるので
ご内覧の方々、皆様興味をもってご覧になっていました。
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ペンダント照明は、セシリエ・マンツがデザインしたカラヴァジオ
ディーンアンドデルーカの各店舗で印象的にぶらさがっているのでご存じの方も多いようです。

赤いコードをぐるぐるまいて上のほうにまとめています。
「左右非対称のラフな感じが本当に素敵です!このスタイリングがりかさんっぽいです!」と言われたのですが
あ、いや、あー、ごめんなさい、これ、左のヤツがさがってきちゃっただけですね(汗)

大胆なストライプの壁紙は、
オランダのブランド「ザ・デザインデパートメント」で、
品番はMariska Meijers SELECT346929

床はパナソニックの複合フローリングで、ダークブラウン色。
壁にも天井にも色を入れましたので全体的には落ち着いたトーン、
シックな内装になっています。
窓に取り付けたシェードが「障子」のような役割を果たし、
直射日光ではない拡散された間接的な光が室内に落とされて
やわらかくしっとりしたやさしいお部屋になりました。
プランニングの時、コストダウンするにしてもなんにしてもとにかく絶対に
「シェード」は採用したかったのはそんな理由もありましてこだわりました。
(障子的なその光の取り入れ方は、西洋的ではなく「和」のしつらえに通じまして、日本人の感覚にマッチすると思っています)

詩万さんの102号室が「ハッピーカラフル」と題しながら実は、イエロー、グリーン、ブルーに絞り込んでいる計算された引き算のコーディネートに対し、
103号室は、「隠れ家ルーム」落ち着いた空間とか言いながら実は山ほどいろんな色や柄を取り込んでいる足し算のコーディネートです。

素朴な野の花、小物も含め、少しだけ彩度と明度を落としたカラースキムにしていること、
(ただしアクセントの黒だけはしっかり引き立たせておく)
自然素材ではないものや偽物は置かないようにしていること
(プラスチックとか、ビニール素材とか、なんかそういうものは森にあったら不自然に思えるから)
(デザイナーズのパクリもんとか、そういうもの)
そんなことにこだわっていたりしています。

型にはまらない、気取らずそこで一日ゆっくり過ごせるような・・・
そんな暮らしを想像してコーディネートいたしました。

プロフィール

三宅 利佳(ジェイブルー)

インテリアコーディネート事務所 ジェイブルー

●インテリアコーディネーター  980877A
●2級建築士
●AFT色彩検定 1級

美しく暮らすにはそれなりの努力が必要です。
例えば掃除、整理整頓、時々の模様替えや花を活けなおしたり・・・。

どうせすぐ使うから
どうせすぐ汚すから

そう言ってやりっぱなし出しっぱなし汚しっぱなしの生活は
確かに面倒がなくて便利ですが
便利ばかりを追求していてはあっというまに雑多な空間になります。

美しい部屋、居心地の良い部屋というのは
日々手をかけ続ける面倒臭さを内包しています。
でも、そのことを放棄しないでください。

部屋は人の心を表すと思いませんか。

インテリアコーディネーターがお手伝いできるのはほんの最初の舞台づくりだけ。

「こうありたい理想の自分」を思い描いて
ぜひ素敵な住空間を維持してください。
それが、生き方にもつながるのだろうと思います。

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