デザイナーショーハウスストーリー act13カーテン前編

家結び.COM

デザイナーショーハウス、リレーブログ。
13話までやってきました!

前回はCB SOWMさんで、act12 花の本、色の本 のご紹介でしたね。

ビリっと破られた表紙から
ふわふわとした謎の青いもの、
そして可憐な小花が顔をのぞかせているという
不思議なデコレーション。
作ってくれたのはフラワーデザイナーの粟津さんでした

本に花が生えているだの。
根っこが出ているだの。
色鉛筆がぶっ刺さっているだの。
・・・って、最初のスタートアイデアは私だったのかもしれませんが
具現化するにあたって吉川さんや粟津さんたちがちゃんと
自分のデザインとして噛み砕いてブラッシュアップして表現してくれる。
私にとってそれはとても新鮮で刺激的な体験で
どれもこれも思い入れのあるデコレーションになりました。

家結び.COM家結び.COM

こうやって私たちのブースは、

ある女性が人生の中でコレクションをしてきた
さまざまな思い出を
いろいろな形でディスプレイの中に表現していく、という手法にしましたので
ちょっとヘンテコで、現実と妄想とのはざまの世界のような
ごちゃまぜてんこ盛りの空間になりました。

ショーハウスに訪れた方々から
「三宅VS吉川」のブースが一番滞在時間が長くなりましたよ!
だとか
ここはクレイジーだね!
と言われたことは
なにげに、嬉しかったりします。

インテリアコーディネーターの人って
空間をすっきりさせてくれるのがお仕事だと思ってましたが
こんなにすっきりしてない空間を作っていたので
びっくりしました!衝撃的でした!

というご感想を頂いたこと、
いま冷静に考えるととても微妙なのかもしれませんが(汗)
なんだかその時は「褒め言葉」として受け取ったという、
楽天家でごめんなさい。

さて。

そうやって細かいものをいくつも重ねてきたクレイジー空間ですが
私たちがとくに表現したかったカーテンを
今回はご紹介しようと思います。

割り当てられたブースには窓なんてありませんでしたが
ダミーの窓を作りまして
カーテンをかけることにしました。そりゃそうです(笑)
インテリアコーディネーター2人がコラボしているんです、
しかも一人はカーテン屋のオーナーさんです!
カーテンを作らなくてどうする。

・・・メインです(笑)

インテリアコーディネーターって、
いつもお客様にカーテンをご提案しているのです。
どんな風に縫いましょうか、こんなふうに縫いましょうか。ってね。
綺麗に縫ってもらうことが前提です。当たり前だけど。

その反動というわけではありませんが
「縫わない」という表現をしてみたくなりました。
ていうか

・・・ほどく。

誰が住むわけでもない、ほんの2週間だけの展示ブースというはかない空間。
もっと大げさにいえば
人間はみんな生まれて死んでいく、という儚さ。
儚い、ということをキーワードにデザインを考えたのです。

スタートのアイデアスケッチは私です。
アイデアソースを渡し、打ち合わせを進めました。

家結び.COM家結び.COM

私のデザインイメージから、
具体的にファブリックをセレクトして
縫製所への指示書にまとめてくれたのが吉川さん。
インテリアコーディネーターからの
カーテン屋さんからの
縫製加工所へ、という、正しい道筋。

正しいんだけど・・・

縫製指示だというのに
「縫わない」という文字がある、クレイジー具合。

そして、私が「生地をほどく」と言ったのに対して、
吉川さんが「生地を燃やす」と言いだしてくる!

家結び.COM

そうやって
ほどかれた裾と燃やされた裾。

家結び.COM

2種類のタッセル。
マイタケ1号と2号。

家結び.COM家結び.COM

頭上にはフラワーモチーフを散らせて女性らしい雰囲気。
両開きのカーテンは、真ん中が編み上げのデザインになっている。

一見やわらかい印象のくせに
実は「触らせないぜ!」というようなちょっと人を寄せ付けない感じ、
カーテンなのに、開けることも閉めることも出来ないという(!)

家結び.COM

たくさんのこだわりをしょいこまされたこのカーテンは、
縫製から施工までさまざまな苦労がありました。

家結び.COM

え?なに?

あ、時間切れだそうです。

では次、吉川さんへバトンタッチ!

プロフィール

三宅 利佳(ジェイブルー)

インテリアコーディネート事務所 ジェイブルー

●インテリアコーディネーター  980877A
●2級建築士
●AFT色彩検定 1級

美しく暮らすにはそれなりの努力が必要です。
例えば掃除、整理整頓、時々の模様替えや花を活けなおしたり・・・。

どうせすぐ使うから
どうせすぐ汚すから

そう言ってやりっぱなし出しっぱなし汚しっぱなしの生活は
確かに面倒がなくて便利ですが
便利ばかりを追求していてはあっというまに雑多な空間になります。

美しい部屋、居心地の良い部屋というのは
日々手をかけ続ける面倒臭さを内包しています。
でも、そのことを放棄しないでください。

部屋は人の心を表すと思いませんか。

インテリアコーディネーターがお手伝いできるのはほんの最初の舞台づくりだけ。

「こうありたい理想の自分」を思い描いて
ぜひ素敵な住空間を維持してください。
それが、生き方にもつながるのだろうと思います。

三宅 利佳(ジェイブルー) さんの記事

  • 私が影響を受けた本「インテリアファブリックの世界」

    私が影響を受けた本「インテリアファブリックの世界」

    インテリアショップやインテリア関連のメーカーが出している「本」が ちまたにはいくつもある。 例えば。 イタリアンモダンの高級家具店でおなじみの カッシーナ。 カッシー...

  • 7年前のお客様ふたたび

    7年前のお客様ふたたび

    7年前のお客様から再びのご依頼をいただき、伺ってきました。 7年ぶりにお会いするお客様は何も変わらず (太りもせず、老けもせず、ってすごいですよね♪) お部屋も当時とほとん...

  • 赤ちゃんマンとシェード

    赤ちゃんマンとシェード

    写真の奥にみえるのは 以前に納めさせていただいたカーテン。 上部が紺色の無地、 下部がジオメトリックな柄に紺とオレンジが入っているファブリックを使いました。 とい...

関連する記事

  • ショーハウスのカーテン

    ショーハウスのカーテン

    ファイルを選択追加 昨年の神戸で行われたデザイナーショーハウスのために用意したカーテン。 いま、それはうちの事務所にぶらさがっています。 (ずっとダンボールにしまいっぱな...

  • デザイナーショーハウス「あるコレクターのお部屋」展

    デザイナーショーハウス「あるコレクターのお部屋」展

    2015.9.18~2015.10.4までの期間、 神戸元町通りにあります「リサブレア」を会場とした あるインテリアのチャリティーイベントがありました。 それが「デザイナーショーハウス」で...

  • デザイナーショーハウスストーリー act17 最終回

    デザイナーショーハウスストーリー act17 最終回

    デザイナーショーハウスを初めて知った時には衝撃が走った、のだそうだ。 いてもたってもいられなくなり ぜひアメリカに渡って現地をこの目で確かめたい! 「どういう交通手段ならそこに...

  • デザイナーショーハウスストーリー act15 チケットの照明

    デザイナーショーハウスストーリー act15 チケットの照明

    デザイナーショーハウスストーリー。 CB SOWMさんのブログ記事がアップされましたので まずはそちらをご覧ください。 ↓ act14 カーテン後編(CBSOWM 2015.12.2UP) 長いことお...

  • 少々おまちください

    少々おまちください

    え?ショーハウスストーリーが途絶えてるって? もう少しで最終回にたどり着けそう。 で、 ・・・たどり着けない(笑) おーい。 吉川さん。 生きてますかー。 ちょっくら...