いろんなカーテン屋さん

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月曜がきました。
おはようございますー。

先週はセミナーを聞きに行ったり、出張で関西にいたり。
いろいろとお伝えしたい出来事がたくさんありましたよ。

京都のカーテン屋さんが店内リニューアルされました。
15周年パーティも兼ねているとのことなので
Y様と一緒にお祝いにおじゃましてきました。
今週はその話題からのブログスタートです。
で、これはY様からいただいた画像です。

京都のカーテン屋さんといえばご想像通りの
ショーハウスコンビ、CB SOWMの吉川さんのお店です。

日本全国にカーテン屋さん、というのがいくつあるかご存知ですか?
経済産業省の商業統計によると
「じゅうたん・カーテン小売」の事業所数は約15,000店だそうです。

大型店舗やホームセンターだとか、
ニトリやケユカのようにカーテン売り場のあるインテリアショップ、
カーテンじゅうたん王国などのチェーン店なんかも含んでいる数字です。

均一価格店、激安ネット販売店、ホームセンター、
百貨店のインテリア売り場など、
競合相手が多くなおかつ市場は狭いという中で、
専門店としてお店を経営していくのはきっと大変なんだろうなぁと思います。
ですから大きな所でも倒産していきます。

私のようなインテリアコーディネーターは
どこからカーテンを調達するかというと、
こういう専門店にお世話になることもあるし
一般のエンドユーザーさんは知らない、いわゆるお店をもってないカーテン屋さんや
縫製加工所、あるいはメーカーさんから直接だったりもします。

ちゃんとしたカーテンの専門店で私が行ったことのあるお店は実は
いくつもありません。

栃木宇都宮の茂木さんのお店「カーテンハウスウィンドーズ」
千葉行徳の中嶋さんのお店「窓装飾専門店 彩雅」
神奈川青葉区の林さんのお店「ルームインテリアプロダクツ」
東京青山の石田さんのお店「プリムエトフ」
大阪西大橋の小嶋さんのお店「カーテン夢工房」
京都西院の吉川さんのお店「CB SOWM」

ぐらいでしょうか・・・。
けれど「カーテン屋さん」とひとくくりには出来ないくらいに
それぞれ専門店には特徴があります。

茂木さんと小嶋さんのお店は私の中では印象が似ていて、
とにかく店舗が広く、照明が明るい。
カジュアルとかクラシックとかのテイストやメーカーごとにエリア分けされていて
すっきりと商品を探すことが出来る。
輸入ファブリックというよりは、国産メーカーのラインナップが充実していた印象。
小嶋さんのところはとくにメカもの(ブラインドやロールスクリーンなどのことを言います)
も充実していて、豊富な商品知識やお手入れやアフターケアも含めた
データに基づく理論的な攻め方をしているお店だと思うのです。

中嶋さんのお店は茂木さんや小嶋さんのところほど広くはない。
いまどきのおしゃれショップを目指しているふうでもない。
(え、目指していたのならごめんなさい!)
昔からある、街の洋品店のような印象で
この先リニューアルをするようなタイプでもなさそう。
中嶋さんご自身は趣味嗜好がマニアックですし
商品知識や施工知識もマニアックで豊富ですが
あまりお店にその主張は感じられず控えめなのです。
控えめなのだけれど、トレンドを意識したデザイン提案はちゃんと取り入れていて
仕事が誠実でたぶん堅実に売り上げを伸ばし(あ、これ勝手な想像w)
安定の存在感で地元に根付いた商売をしている、そんな感じで
実は最後に残る真の勝ち組はこういうお店なんじゃないか?とかね
私は思っていたりします。

石田さんのところは完璧に輸入生地メイン。
シャビーな内装のお店づくり、青山という立地、
ハイエンドなおしゃれ層を狙っているのがよくわかります。

オープニングに行ったときのブログはこちら。

ブランドごとに探せるようにサンプルが整えられている。
「何%引き!」みたいなPOPは絶対につけなさそうだし
一見さんには少し敷居が高いような雰囲気が逆にかっこよい。
海外インテリアに憧れるマダムならここでカーテンを買いたいと思うだろうし、
時々ペインティングのワークショップなどを開催しているようなので
カーテンだけではなくインテリア全体の提案も当然行っているのだろう。
お店の片隅にギターが置いてあったりして(石田さんの私物だって)
お客様をお連れしたらきっと「わぁ素敵」ってドキドキしてもらえるお店だと思うし、
おしゃれ感が満載なのです。

林さんのところは、行ったには行ったのだけれど
パーティしてそこで食べて飲んだだけなので
実はちゃんと店舗を見てなかったなー、てのに今気づく(笑)
てへ。


で、今回の吉川さんのお店のリニューアル。
アンバーな印象の暖かいライティングはリニューアル前と同様で、
雰囲気重視の路線だということがわかる。
きっちりきっかりとブランドごと、色別、テイスト別でもなく、
なんとなくファジー。ファジーって言葉が死語だけど(笑)

ビシっと揃わせない吊サンプルの展示方法、
「あえて」なのか、御本人の性格なのか、とても吉川さんらしいと思う。
スッキリとは真逆なんだけれど、宝探しをするようなワクワク感がありまして
不思議とそれがドラマチックな空間にも思えてくる。
赤ずきんとオオカミがばったり出くわすような童話的な印象の空間でした。

カーブレールをつかった曲面的で回遊させるレイアウトになっていたのが
今回のリニューアルで一番大きく「変わった!」と思わせた部分。
以前にはなかった「壁」が点在し、
壁紙とファブリックを組み合わせて魅せる
アイキャッチコーナーがいくつも設けられていたのは
他のカーテン屋さんではあまりみない感じで
生地だけ選んでもらうではなく
空間のインテリアコーディネートを意識した提案をしていくんだなというのがわかりました。

えーっとそれ、なんだろうなー、何かに似ているなーと考えたら
そうだ、ジャパンテックスとかデコオンとかの展示会のブースだ。

メーカー別に整然に並べたり
あるいは色別に美しくグラデーションさせたりというような
従来のカーテンショップでもなく
かといって雑貨・インテリアショップ風でもなく。
これは展示会的発想の空間&商品&デザイン提案型なのだろうと思いました。

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縫う・・でもなく、ラフにぶらさげられたファブリックサンプル。
かわいい車の柄だし、
背景はいまどきなスクラップウッドの壁紙だったし

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玄関正面に新しく作られていたフォーカルポイントの壁は水色のペイントで、
アイアンの窓枠が入れられていたし・・・

・・・だったので、カジュアル路線のざっくりビンテージ風なお店にしたのかなと思いきや

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こういうファンシーなデザインカーテンぶらさげてくるし

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こっち系のデザインも提案してくるし、で
天井には羽根の壁紙貼ってるし
壁には鹿の毛並の壁紙貼ってるし
(この鹿ちゃん壁紙、一緒にWALPA銀座のお店いったときに見かけて
めちゃめちゃ食いついてたのを覚えているぞww)

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趣味全開の独特な吉川ワールドが出来上がっていました。
以前よりもメカものが減って(?)
より、ファブリック重視のお店になったように思いましたし
というかやっぱりそこを狙いたいんだろうなぁというのを感じました。

こてこてのスワッグや作りこまれた本気デザインはきっと
CB SOWMのお客様にはリアリティがなく
狙うのはあくまでも少しだけエッジをきかせたおしゃれ感と
ちょっと背伸びをすれば手の届く1UPのグレード。
たぶん。

(そこ、ジェイブルーのお客様と層がかぶるのです)
(だからなんとなく同じにおいがするのでショーハウスでコンビになりました)

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で。
私が一番好きだったコーナーがここ。
赤の無地ベルベッドとダマスク柄を切り替えたデザインサンプル。
あ、エレガントもモードもちゃんとあるんだ、っていうね。

この生地オランダのブランド、コーニックですって。
林田さんとこが取扱いをはじめた超イチオシブランド。
めちゃめちゃトレンドも抑えているということでした。

シノワな壁紙と組み合わせているのに
照明がまつぼっくり(カジュアルか!)というのがもうなんだこれ

ちょいミステリー。

でもかっこいいなぁと思いました。


あ、リニューアルオープンおめでとうございます。
以上、お祝いのブログ記事を書かせていただきました。

って、お祝いになってますかこれ。

プロフィール

三宅 利佳(ジェイブルー)

インテリアコーディネート事務所 ジェイブルー

●インテリアコーディネーター  980877A
●2級建築士
●AFT色彩検定 1級

美しく暮らすにはそれなりの努力が必要です。
例えば掃除、整理整頓、時々の模様替えや花を活けなおしたり・・・。

どうせすぐ使うから
どうせすぐ汚すから

そう言ってやりっぱなし出しっぱなし汚しっぱなしの生活は
確かに面倒がなくて便利ですが
便利ばかりを追求していてはあっというまに雑多な空間になります。

美しい部屋、居心地の良い部屋というのは
日々手をかけ続ける面倒臭さを内包しています。
でも、そのことを放棄しないでください。

部屋は人の心を表すと思いませんか。

インテリアコーディネーターがお手伝いできるのはほんの最初の舞台づくりだけ。

「こうありたい理想の自分」を思い描いて
ぜひ素敵な住空間を維持してください。
それが、生き方にもつながるのだろうと思います。

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