ブラックウォールナットとアルダーの座卓



そもそもKさんに最初に相談頂いたのは、ダイニングテーブルだったのでした。ご両親から継いだというこのご自宅のダイニングにはど真ん中にどんと大きな食器棚が島のように置かれていて、この食器棚が動かせないから、その食器棚に沿うように変形したテーブルを作りたいっていう相談を、お友達のkissakoさんから聞いて私たちに連絡をしてくれたのが始まりです。(kissakoさんは、「その日まで」辻堂のSさん。)
そして、そのテーブル。いろいろお話しするうちに内容が反れていく、というか良い方向に広がっていったのです。
詳しくは、「木の家」を読んで頂ければと思いますが、結局テーブルのお話はひとまず置いて、中央に座っている食器棚をどうにかするうちに、キッチンとダイニングの印象を大きく変えるプチリフォームのようなことをしたのです。
おかげでテーブルは当初のものよりも使いやすくなり、何よりこの場所が整頓されて、明るい場所に変わったのです。お話しするって素晴らしい。
それが3年前のお話でした。
今回は前回小さなベンチを作らせてもらったあとの3度目のオーダー。
ブラックウォールナットとアルダーを使った座卓(卓袱台)です。
脚の開閉を抑えるのは粘りのあるタモの板バネ。
納品後、「最近は忙しくで頭が回らなくなるくらいです。」なんて、近況をお伝えしたら、「忙しいかもしれませんが、頑張って続けてくださいね。イマイさんが居なくなったら、誰にお手入れ方法を聞いたり、気軽に別の家具の相談すればよいのか分からなくて困っちゃいますので。(笑)」とKさん。
そうですね。
もともとは何かを作ることが好きで、父の家具作りを手伝ううちにそれが仕事になっていったのですが、最初のうちはやっぱり自分で考えたものを作りたかったのでした。一生懸命考えた形の良いテーブルや椅子やキャビネットを作って、それを自分の家に置いてみたい、そう思っていました。そして、その形をみんなが気に入ってくれたらうれしいだろうなって。今は思いません。(笑)
家具を考えたり、作ったりという仕事をしていますが、自分のための家具が必要だと感じる時はありますが、ほしいと思うことはあまりなくなっちゃったなあ。
どちらかというと、みんなが私たちの家具を必要としてくれているから作っている、という気持ちです。
だって、「10年前からホームページ見ています。」とか、「全部の記事読んだのですよ。」なんて言われたら、もううれしいわけです。
必要とされている物事を実現する、それが自分の仕事だと今は思っています。
声を掛けてくれるみなさんが居るから、頑張りますよ。
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