方向音痴の話

家結び.COM

出版本の表紙があがってきました。B5サイズの本になります。あえてのモノクロで。本屋で見かけたらお手に取っていただければ幸いです。あ、まだ発売されていません(笑)10月までお待ちください。

さて。

わたしの方向音痴のひどさといったらそこそこ有名な話でして、知人には周知の事実です。方向音痴仲間の皆さんにはご理解いただけるかと思いますが、自分がいま通ってきた道を説明することができない。どこのインターで降りて、何号線を通ってきたの?なんて質問されても、フガフガとしか答えられません。どこの駅で降りて、改札は南口?北口?どっちから来たの?なんて質問されても、ポカーンです。
体内磁石は激しく狂っています。

このような私ですが、どういうわけか「人に道を尋ねられる」ことがとても多い。駅はどっちですか、神社はどこですか、JRの渋谷駅はここからどう行けばいいですか・・・・。
地元の人に見られるのか、ヒマそうに見られるのか、この人なら教えてくれるかもという親切オーラでも出ているのか、よくわかりませんが、とにかくよく道を聞かれるのだ。
そして、8割方、答えることが出来ない。
しかも答えられたと思い込んでいる残りの2割だって「この道をそっちにまっすぐ進むと通りにぶつかるから、あとは人の流れに沿って進むとたぶん駅にたどり着ける、と思います」なんていうような非常に心もとない説明しかできていないのだが。

出張先で尋ねられることも多い。たいていは自分が道に迷っている真っ最中だから立ち止まっているという状況のところで「すいません金閣寺に行きたいのだけれどどっちですか」「高槻方面にいくには何番線に乗ればいいですか」「この電車は夙川に止まりますか」「タクシー乗り場はどこですか」
・・・いや、それ、むしろ私が聞きたいぐらいです。

それでいつも思う。答えられなかったことの罪悪感、あれは本当に、理不尽だ。私が何か悪いことをしたわけもないのに。やらなきゃいけない宿題を忘れたわけでもないし、調べておかなきゃいけないのに準備不足だったというわけでもない。
たまたま私がそこにいて、たまたま聞かれた「NHKホールはどっちですか」の質問に答えられなかっただけのことじゃないか。「肉じゃがの作り方教えてください」「村上春樹のオススメを3冊教えてください」「ちょっとすいません、赤の反対色は何色ですか」それなら答えられたはずだ。たまたま、道のことをきかれたばかりに答えられなかっただけのことだ。なのに、尋ねてきた人はこんな反応をする。「ごめんなさい、私も道がよくわからなくて」というと「ちぇっ!わかんないの!っもう」と吐き捨てて立ち去る人やあからさまにがっかりした表情を見せたり、というような。
道を聞かれると、答えられない。
まるで、答えられなかった私に非があるかの如く責められている・・・ような気がする。

「おなかに赤ちゃんがいます」っていうステッカーがありますよね。
「私は方向音痴です」
「私に道を尋ねないでください」というステッカーがあってもいいと思う。

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プロフィール

三宅 利佳(ジェイブルー)

インテリアコーディネート事務所 ジェイブルー

●インテリアコーディネーター  980877A
●2級建築士
●AFT色彩検定 1級

美しく暮らすにはそれなりの努力が必要です。
例えば掃除、整理整頓、時々の模様替えや花を活けなおしたり・・・。

どうせすぐ使うから
どうせすぐ汚すから

そう言ってやりっぱなし出しっぱなし汚しっぱなしの生活は
確かに面倒がなくて便利ですが
便利ばかりを追求していてはあっというまに雑多な空間になります。

美しい部屋、居心地の良い部屋というのは
日々手をかけ続ける面倒臭さを内包しています。
でも、そのことを放棄しないでください。

部屋は人の心を表すと思いませんか。

インテリアコーディネーターがお手伝いできるのはほんの最初の舞台づくりだけ。

「こうありたい理想の自分」を思い描いて
ぜひ素敵な住空間を維持してください。
それが、生き方にもつながるのだろうと思います。

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