招き入れる

私がご紹介するまでもなくカーテン夢工房の小嶋さんのブログは有名でして。
窓回りのことで何か調べ物をしたいと思って検索するとたいてい小嶋さんのブログに行きついてしまいます。それだけ膨大なストック記事、年月の積み重ねがある、ということでしょうか。
継続は力なりといいますが、何事もコツコツと積み重ねていけばいつのまにか唯一無二の財産になっていくものだなぁと思います。jay blueのブログは現在約1200記事です。2000記事を目指して頑張りまーす。
あ、ちなみにこの画像は数年前のものです(笑)私、小嶋さん、(ほぼぶれて写っている)カーテン縫製屋の後藤さん。
で、先日の小嶋さんのブログで、ちょっとほろ苦い親子丼の話の回がありまして、ジンとしてしまいました。
30年くらい前の出来事、カーテンの取り付けに行った客先であんたは職人かとお客さんに聞かれ、そのあとに出された食事が、家族はみんな親子丼、自分だけ玉子丼だったという話、いつかは親子丼を出してもらえるようになりたいぞ、というそんなエピソードです。
それでふと思いついた話をします。
私はインテリアコーディネートの仕事をフリーランスでしてきて、15年がたちます。
いろいろなお客様のところに打合せやら納品やらでお伺いさせていただくのですが、対応はさまざまです。
私たちはあくまでも「業者」「職人」ですから、使用人?というかそんな立ち位置でとらえているお客様の場合は、伺ったときにスッピンやスウェット姿だったり、ご主人様はまだ隣の部屋で寝てて、とか、ダイニングで食事を始めたりします。コーヒーを淹れる香りがしてくるので何か出てくるのかしらと思いきや、自分たちだけで飲んで終わったりします。そんな場合は、こちらも気楽にマイペースで作業を進められるのでよいのですが、ちょっと寂しかったりします(笑)
それとは真逆で、私たちを「来客」ととらえてくれるお客様もあります。打合せ、納品、こちらは仕事で伺っているだけなのですが「まぁ!いつも遠いところをわざわざすみません、本当にありがとうございます」なんて言ってくれて、きちんとした服を着て出迎えてくれ、お子様やご主人様もいったん個室から出てきてご挨拶をくださったり、これ近所のお店なんですがなんて言いながら美味しい食事を用意してくださったり。場合によっては「職人さん今日は何人いらっしゃいますか、みなさんの分、足りるかしら」なんていって、全員にお土産まで用意してくださるお客様まであります。
どちらがいいとか悪いとかは一切ありません。どのような対応だろうがこちらは淡々と仕事をするだけなのですが、気持ちとしては「迎え入れていただいた」と感じ取れるほうがそりゃぁ・・・誰だって気分が良くなります。
お邪魔しますと入ったおうちで「あ、じゃ、とりあえず作業やってください」ってなるのと、「おーい!三宅さんがお見えになったぞ!ほら挨拶しにおりてきなさーい!」て家族に招集がかかるのと(笑)・・・ね。
(ちなみに「三宅先生!」と必要以上に持ち上げられるのは超苦手です。居心地の悪さMAXです。ふつうに、りかさん、三宅さんと呼んでくださいwww)
自宅に他人があがりこむ、時々そんな状況はあると思います。エアコンのクリーニング、ハウスキーピング、家電の搬入設置業者、パソコン業者などなどなど。
業者、といってしまえばその通りですし、金を払ってんのはこっちだなんて言われてしまえばそれまでなのですが、「わざわざ来てくれてありがとう」のほんのその気持ちがあるかないか、その違いは決して小さいものではないだろうと思います。自分がお客さんになることもあります。そんなときは来てくれる業者さんを「お客様を出迎える」という気持ちで対応したいなぁと私は思っています。
三宅 利佳(ジェイブルー)
インテリアコーディネート事務所 ジェイブルー
●インテリアコーディネーター 980877A
●2級建築士
●AFT色彩検定 1級
美しく暮らすにはそれなりの努力が必要です。
例えば掃除、整理整頓、時々の模様替えや花を活けなおしたり・・・。
どうせすぐ使うから
どうせすぐ汚すから
そう言ってやりっぱなし出しっぱなし汚しっぱなしの生活は
確かに面倒がなくて便利ですが
便利ばかりを追求していてはあっというまに雑多な空間になります。
美しい部屋、居心地の良い部屋というのは
日々手をかけ続ける面倒臭さを内包しています。
でも、そのことを放棄しないでください。
部屋は人の心を表すと思いませんか。
インテリアコーディネーターがお手伝いできるのはほんの最初の舞台づくりだけ。
「こうありたい理想の自分」を思い描いて
ぜひ素敵な住空間を維持してください。
それが、生き方にもつながるのだろうと思います。
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