ペットがいる部屋のインテリアをセンス良く。コーディネートの4つのヒント

「犬が居るから、なかなかインテリアが楽しめない」「猫とオシャレに暮らしたいけど、インテリアはどうしたらいいの?」ペットがいるお部屋作りに悩んでいる人は意外と多い様子。かわいい家族であるペットですが、家具に傷や汚れが付いてしまう、お部屋がゴチャゴチャするといった「困った問題」もありますよね。

犬や猫と暮らしつつおしゃれなインテリアを楽しむには、どうしたらいいんでしょうか?今回は犬も人も快適に過ごしつつ、おしゃれに暮らせるインテリアコーディネートのヒントをご紹介していきます。

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1.インテリアの中にペットの「スペース作り」を。

ワンちゃん・猫ちゃん達は人間に比べて「自分の居場所」をしっかりと欲しがります。「ココが自分の場所!」というところが決まっていると気分が落ち着き、室内でも安心して過ごせるんです。反対に固定された居場所が無いと、猫ちゃんであればマーキングをしてしまったり、ワンちゃんだと気持ちが不安定になって吠えてしまうことも。

また居場所が安定せず、あちこちでイタズラをしてしまうということもあります。まずはリビング等のペットがメインで暮らす部屋の「居場所作り」から考えていきましょう!

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主な寝場所は、静かで風通しが良いところに。

ペットがお気に入りの場所には個体差もありますが、原則「大きな音がしにくい場所」「風通しの良いところ」が好まれやすいです。猫ちゃんの場合、窓際といった外が見える場所・日中は光が感じられる場所が好き。ワンちゃんの場合だと、元々洞窟や穴蔵等で過ごすことが多かった生き物なので、やや薄暗い場所や天井が低くなった場所を好みがちです。

また寂しがりやのワンちゃんの場合、「お家に飼い主さんが居る時には、できるだけ近くにいたい!」と思いやすいもの。このような場合にはPCデスクの隣、ソファの隣といった飼い主さんに近い場所を居場所にしてあげると良いでしょう。これからお部屋のインテリアレイアウトを作る場合には、まずはペットの「定位置」を決めて、そこからレイアウトを考えていくと良いですよ。

インテリアショップでベッドやクッションを。

ワンちゃん用・猫ちゃん用のベッドやクッションというと「ペットショップやホームセンターで探すもの」と思いこんでいませんか?一般的なペットショップだと、デザインがいまひとつ部屋のインテリアに合わない…ということもありますよね。現在ではIKEA等を始めとしたインテリアショップでも、ペットグッズを販売するようになっています。

特に海外系のショップではペット用家具の種類が豊富。ワンちゃん専用のオシャレなベッドやクッション・ケージ等であれば、インテリアのテイストを壊すこともなく、お部屋のインテリアのポイントにすることもできます。また大きめのカゴに毛布を敷いて、ベッド代わりにするのも手ですね。

「家具の一部」をペットの寛ぐスペースに。

「部屋が狭いから、犬専用のベッドを置くのはちょっと無理そう…」「キャットタワーを置くのも厳しい」こんなお声も時々聞かれます。でもワンちゃん・猫ちゃんの居場所=ペット専用グッズ、というのは思い込み!人間用の家具の一部をペットのスペースにしてあげることもできるんです。

【キャビネットやシェルフを使ってスペース作り】
例えば壁面収納キャビネットの下部をオープンにしてマットを敷けば、ワンちゃんの寛ぐスペースに。また階段型のシェルフの一番上にカゴを置いてあげれば、猫ちゃんが登って寛ぐスペースを作れます。
突っ張り式のシェルフに棚板を利用してのキャットウォークを作っている方もいらっしゃいますね。

【サイドテーブルの下をペットスペースに】
ソファの隣に置くサイドテーブルで、下部がボックス型になっているものを選ぶのも手。収納部に毛布やマット等を敷いてあげれば、小型犬がすっぽりと収まるリラックススペースになります。またナチュラルインテリアであれば、木箱のようなボックスを横向きにソファのサイドに置いてみるのも手。人間はサイドテーブルとして、ワンちゃんはお気に入りスペースとして使える2way家具になってくれます。

人間とは異なり、ワンちゃん・猫ちゃんは「狭くすっぽりと収まる空間」でリラックスするもの。「大きいスペースを取らなくては」と躍起になる必要は実は無いんですよ。

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2.ペットの動線を考えたインテリアレイアウト。

ペットとの暮らしでは、「動線(自然に動く時に通ると考えられる経路)」を重視したレイアウト作りが大切。ワンちゃんの場合、お散歩に行く時に玄関に出るまで、お散歩から帰ってきてから寛ぐスペースに戻るまで、別の部屋に移動するまでといった部分が主な動線となります。猫ちゃんの場合は、二箇所程度のお気に入りスペース間の移動、トイレとの行き帰り等が主な動線ですね。

人間も動線を塞がれるようなレイアウトだとストレスを感じますが、ペットの場合はより問題が大きくなります。特にワンちゃんの場合、玄関等への動線ルートに家具が多いとぶつかってしまい、大きなケガとなることも!現在のお部屋でペットがどこをよく歩いているか、遠回りをさせている場所は無いか等、まずはペットの動くルートを見直してみましょう。

ゲートやパーティションを使って動線作り。

「ココにはどうしても入って欲しくない」「キッチンは危ないからペットを入れたくない…」そんな時には、フェンスやゲートを使うのが基本。ゲートをうまく使うことで、ペットの動線をうまく誘導することもできます。猫ちゃんの場合はゲートですと飛び越してしまうことがあるので、背の高いパーティションを使うと良いでしょう。特にキッチン周りはペットにとって危険なものが沢山あるので、注意します。

ゲート・フェンスは「ペット専用グッズ」として探すとカラフルなもの・ポップなデザインが多いですが、ベビー用ゲート(人間の赤ちゃんも使えるもの)で探すとシックでナチュラルなデザインのものも多く見つけられます。ゲートやフェンスは、床材・建具等と色味を揃えるのがポイント。ゲートだけを目立たせないことで、お部屋の圧迫感も減らせます。

3.ペットのお部屋、オシャレにキズ・汚れ対策をするには?

ワンちゃん・猫ちゃんを飼っているお部屋だと、キズや汚れが付きにくいもの。でも「汚れるから」と機能性ばかりを充実させてしまうと、インテリアを楽しめませんよね。オシャレなインテリアと汚れ・キズ対策を両立させるには、どんな工夫をしたら良いのでしょうか。

床材・マットレス

これからお部屋の内装を造る・お家の床材を決められるということであれば、床材はペット向けの傷が付きにくいものを選ぶのがベスト。ペット向けの床材は傷対策に優れているだけでなく防音効果・消臭効果も持っているため、お部屋の中でペットだけでなく人間も快適に過ごせます。

賃貸マンション等で「床材自体は変更できない」という場合には、クッション性のあるマットレスやタイルカーペット(タイルマット)を動線部を中心に敷くのがオススメです。ジョイントタイプのタイルマットなら、汚れた箇所だけをすぐに交換でき、衛生的ですしコストも抑えられます。

特に畳や絨毯敷きといった柔らかな床材のお部屋では、ワンちゃんの「穴を掘りたい/かじりたい」というクセが出がち。早めにマットレス・タイルカーペットでカバーをしておきましょう。




まだ傷が付いていない新しい壁には、ワンちゃん・猫ちゃん用の壁保護シートを張るのが一番。弱粘着タイプの保護シートなら、元々の壁材を傷めにくく安心です。保護シートはワンちゃんの口が届く高さ・猫ちゃんの手が届く高さまで張るのが基本。

透明タイプなら元々の壁材の色味を変えずに壁をコートできます。敢えて壁材とは少し違う色味(ベージュの壁に白のシート等)を貼って、壁面のベースカラーの印象を変えてみるのもおすすめです。

「もう壁に傷が付いてしまって、今から保護シートを貼っても汚れが目立つ…」という時には、インテリア用のウォールステッカーを使って目隠しをするのも手。お部屋のテイストに合わせてウォールステッカーを貼れば、インテリアの素敵なポイントにもなってくれます。

ラグ

「ペットの毛が付きやすいから、ラグは無理」と思っていませんか?たしかにリビングの空きスペース全体を覆うような大きなラグを敷くと、洗濯機等で洗うことも難しいですし、毛取りの手間もかかりますよね。

でもラグは、必ずしも「大きなものを一枚」といった使い方をするものではありません。小さめサイズのラグをいくつか敷いて、お部屋の印象を変えることもできるんです。例えば小さめのサークル型のラグをソファの手前や椅子の下等に置くだけでも、床の印象は大きく変わります。

小さめラグなら、洗濯機等で洗うのもカンタン。お手入れもラクですし、ワンちゃん・猫ちゃんも衛生的に過ごすことができます。

ソファ

猫ちゃんの爪とぎやワンちゃんの穴掘りといったイタズラを一番受けやすい家具の代表がソファ。「ソファがボロボロになるのはみっともない…」と、ソファを置くのを諦めてしまう人も多いようです。でもゆったり寛げるオシャレなリビング作りには、ソファは欠かせないですよね。

【新しいソファを選ぶ時には?】
これからソファ選びをされる場合、まずは素材選びから考えてみましょう。ペットオーナーさん達による情報では、「布ソファーよりは革ソファーが爪とぎをされにくい」という傾向が見られます。本皮はかなり硬いため、布・ファブリックよりも爪がかかりにくく、爪とぎ・穴掘り対象に選ばれにくいようです。また本皮ソファーは落ちた毛が絡まりにくく、お手入れが比較的ラクと言われています。

ただ爪とぎの好みには個体差もあるので、必ずしも「本革なら絶対大丈夫!」とは言えません。黒・紺・茶といった濃い色味ではなく、ベージュ・ホワイトといった薄い色味のものの方が傷が目立ちにくいので安心です。

なお「合皮素材(合成皮革)」は柔らかく、非常に傷が付きやすい上にクリーム等によるお手入れができないので、あまりおすすめできません。「本革ソファはちょっと…」という場合には、網目が無い・網目が小さい繊維(ナイロン・ポリエステル素材)が張地に使われているもの、人工スエード(フェイクスエード)等の方が爪等が入りにくいです。
もしくは、現在各メーカーからペット用ソファ生地の推奨もあるので、そちらを利用してみるのもよいでしょう。

また「ソファの脚」にも要注目。木材の脚のソファは猫にとって非常に爪とぎをしやすい場所です。「どうしても木脚が良い!」という場合にはソファカバーでカバリングをするといった対策を考えた方が良いでしょう。モダンでシャープな印象のお部屋を作るのなら、メタリック素材(メタルフレーム)の脚で作られたソファにしてみるのも手です。

【ソファをカバーリング】
今あるソファをカバーリングすれば、傷や汚れ隠しになるだけでなく、インテリアの印象も大きく変えられます。ペットのいるお部屋の場合、カバーは「2枚がけ」をするのがベスト。下に防水性・撥水性のあるカバーを敷いてから更にソファカバーをかけると、万一の汚れにも対応しやすくなります。表側のソファカバーは厚みがあるもので、ひっかかりの少ない人工素材の方が安心。マイクロファイバー素材等は爪が滑りやすいので、爪とぎには選ばれにくくなります。

4.小物選びと収納も大切。

ペット関連の小物はまとめて収納

ペットの散歩のためのグッズやお手入れグッズ、ついついお部屋の中のあちこちに…ということ、ありませんか?ペット関連の飼い主が使う小物は、用途別にまとめて収納するのが理想的。

例えば「散歩グッズはひとまとめにして布バッグに入れ、玄関に」「グルーミンググッズはカゴにひとまとめしてケージの上に」といった収納場所のルールを作っておくと、ゴチャゴチャとした雰囲気がなくなります。

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おもちゃは「出ていてもOKなデザイン」を

ペットのおもちゃは、お手入れグッズとは違って常に部屋に出ていることが多いもの。お部屋のインテリアを損ねないデザイン・素材のグッズを選んでみることを心がけてみましょう。例えばナチュラルスタイルのインテリアなら、天然木でできたボール等が人気です。

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食器類のデザイン・素材にもこだわる

お水等の食器類やトレーも、常にお部屋に出ていることが多いグッズですね。プラスチック素材は安価でお手入れがラクなのはメリットですが、ポップなスタイルのインテリア以外だとお部屋から浮いてしまうことも。

重さがあり安定した陶器や、モダンなスタイルならステンレス等のメタリック素材を選んでみるのもおすすめです。素材・色味を統一することでスッキリとした印象になります。ペット用グッズにこだわらず、人間用の食器類から重みのあるものを探してみるのも手ですよ。

おわりに

ペットの居る部屋のインテリアのヒントはいかがでしたか?ゲージやトイレ・食器といった小物の素材・色味を統一したり、ラグ・ソファー等のファブリック類を取り替えるだけでも、お部屋のインテリアの印象は大きく変わってきます。例えばナチュラルスタイルなら、木目の製品・籐製のカゴ等をペットアイテムに多く取り入れてみるのも手。

また北欧スタイルなら、白をベースにスッキリとしたシンプルデザインのアイテムを取り入れてみるとコーディネートがしやすいですよ。「ペットが居るから家具やインテリアにこだわれない」と諦めず、素敵なお部屋作りを目指してみましょう!

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プロフィール

小島真子

笑顔があふれる空間づくり

事務所ラフスタイル代表 ( http://www.laugh-style.jp )
法人ではサロン・オフィス・社員寮・ホテル等のコーディネートを中心にコーディネート及びイベント用スタイリング設営、個人では、引越し時のレイアウト相談、新築・リフォーム時のインテリアコーディネート業をはじめ、他、セミナー講師、執筆活動、コンサルティング、企画やメディア協力等でも幅広く活動中。

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