イケアが子ども室に関する研究経過を報告 子供が快適に過ごせる空間とは
親の考える子ども室と、子どもが快適と感じる空間には、大きな開きがあるようです。
研究の背景と目的
小学1年生から6年生までの子どもの心身における成長過程や社会との接点は著しく変化し、それに伴う生活パターンも目覚ましく変わっていきます。
子どもの置かれている環境は、社会的観点、住環境的な観点から見ても、まだまだ快適とは言えず配慮が必要です。子どもの置かれている現状を知り、その結果をより良い環境作りに反映していくことが重要ではないでしょうか。
そこで、イケア・ジャパンでは児童(小学生)に特化し、子どもたち自身が落ち着ける子ども室・子どものための空間(居場所)のあり方についての研究を進めています。
研究内容
東京電機大学は、感性工学的な視点から空間演出デザインの子ども部屋における応用、日本大学は建築学的な視点から住まいにおける子ども室の位置付けと子ども室のイメージに関する研究、芝浦工業大学は建築計画学・建築人類学的な視点から居住空間とモノから見る「子ども」の現在的様態― 「子ども」をめぐる空間と物質文化に関する研究をテーマとして進めました。主な研究内容は、文献調査、現状調査、ワークショップ形式をとりました。主な研究内容
- 日本における子ども室の誕生
- 子ども室の現状を知るためのアンケート調査: 中学生・高校生・大学生を対象
- 現在供給されている住まいの調査: 建築家のデザインした住まい、ハウジングメーカーの提供する住まいについての調査
- 子ども室を含む住まい全体のなかにあるモノの調査
- 子ども目線とおとな目線の子ども室制作ワークショップ
共同研究から見えてきたこと
子ども室に対する考えやあり方は、時流との関係性が強く、子どものモノから見た家でのライフスタイルを検証しても、リビングにモノが圧倒的に多く集まっていることが確認されました。また、大人の考える子ども室は、勉強ならびに就眠を中心に空間をつくる傾向が強く、勉強机と書棚、ベッドの3つの家具を窓際にコを描くように並べるパターンが多かった。しかし、子どもは三者三様で、自分の望むこと-例えばお友達や家族員と語るための大きな机を部屋の真ん中に配置するなど、個の要求に合わせた家具を無意識ながらも自身の身丈に合わせて配置をする、という特徴が見えてきました。
子ども室のスペースに関しては、広ければ良い、という訳ではなく、実験を行った際に使った6畳という部屋の大きさは、小学生低学年にとっては、体の大きさとの関係から落ち着きがなく、高学年になるにつれ、快適な空間スペースとなる様子が分析を行う過程で、分かり始めました。
さらに、子ども自身が考えて作り上げた部屋と、親が与えた部屋における子どもの落ち着き度や集中力の違いなどを比較してみると、子どもは子ども自身が好んで作った部屋に滞在している時のほうが、落ち着き度や集中力が高まる様子が伺えました。
子ども目線を重ねること
今回の研究は、主に子ども室における家具の配置を中心に、子どもが望む子ども室・子どものための空間のあり方を探りましたが、子どもの人格を尊重し、子どもの目線を重ねることで、子どもに優しい空間、子どもにとって快適な環境作りに繋ながる足掛かりになることを標榜するとともに、その重要性を確認するものとなりました。子ども室プロジェクトでは、今後も更に研究を継続することで、より明確な結論を導きだしていきたいと考えています。
吉本 剛 さんの記事
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