とどめの一撃‐1247‐
2016年2月15日
とどめの一撃‐1247‐
土曜の晩はかなり雨が降りました。
一雨ごとにの言葉通り、昨日は一気に春の装いでした。
庭先の梅も一気に咲き始めています。
日本人の心を、春へ案内し続けてきた花。まさに希望の花と言えます。
朝、宝塚の高台から見下ろす大阪キタのビル群は、なかなかに幻想的です。
先週の木曜日、再度「宝塚の家」の撮影に行っていました。
一度自分で撮ったのですが、やはりプロに撮って貰うべきと、写真家にお願いしました。
この日はずっと快晴で、絶好の撮影日和でした。
雲の無い状態が、これだけ長時間続いたのは、何十年か振りかだそう。
写真家も、いつも以上に(いつも通りに?)気合十分で撮ってくれました。
建築の写真は、晴れと曇りとで、全くできが違います。
「釣りの日が、全部雨になってもいいから、撮影の日は晴れにして下さい」と勝手な神頼みをするのです。
昨年の11月、NHKの「プロフェッショナル」が10周年を迎えました。
その特番で、主題歌「progress」を歌う、スガシカオの創作の現場に密着という回がありましたが、ようやく録画を観たのです。
彼はシンガーソングライターですが、どちらかと言えば、詞のほうにフォーカスしていました。
Mr.Childrenの桜井和寿が「自分の醜いものや隠したいものがどうしても出てしまうのか、出しているのか」そこが凄いと語っていました。
「川の流れのように」を書いた秋元康や、ノーベル賞候補に上がる村上春樹までが絶賛する詩人なのです。
SMAPに提供した「夜空ノムコウ」も彼の作詞です。こう言っていました。
現在を『あの頃の未来』と表現したことで、この曲はできた。
後年、芥川賞の選考委員をしていた作家・開高健は受賞作を選ぶ基準をこう表現しまいた。
その作品に『鮮烈な一言半句』はあるか?
「クー・ド・グラース(とどめの一撃)」とも表現しています。
坂の街に住むと決意したクライアントがこの土地を選び、この家は出来上がりました。
擁壁を超えてはならないという市条例、擁壁に荷重を掛けたくないという設計意図、階段状敷地が故の高さ制限。
それらの条件をクリアする為に考えたのが僅かに宙に浮く片持ち構造の階段です。ミリ単位で擁壁際を狙っています。
『鮮烈な一言半句』 『とどめの一撃』はあるのか……
賞レースで問うてみたいと思います。
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株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...