「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐8‐「リスク」か「 可能性」か
2017年3月27日
「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐8‐「リスク」か「 可能性」か
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月末の引っ越しまで10日をきりました。
現場は、壁仕上げに入っています。
この計画はタイトルにあるとおり、壁は珪藻土塗。
これらは全て左官職人の手で塗りあげられます。
くるっとコテの上にネタを乗せる動きは、やはり職人技。
まずは大きなコテで塗り付けます。
そして、場所にあったコテに持ち替え、仕上げていくのです。
これは、壁と壁が90度でぶつかってくる入隅(いりすみ)を塗るコテ。
出隅(ですみ)なら逆形状のコテを使います。
昔は「ペンキ塗り立て」などの看板をよくみました。
しかし最近では、人の手が出来を左右する仕上げは減る一方なのです。
タイル工事もその部類に入るでしょうか。
洗面台もいい感じに仕上がってきました。
これはマグネットが付く塗料で塗られた子供部屋の壁。
塗料に砂鉄が含まれています。
これらは左官工事と似ていますが、タイル工事、塗装工事と、全て別の業種なのです。
ご夫妻と内部を回りますが、壁をみるだけでも楽しそうです。
自然素材の中で暮らしたいという強い思いが、無垢の床、珪藻土の壁を実現するに至りました。
建物に入った時、いわゆる新築の家の匂いはしません。土の匂いというか、非常に優しいのです。
左官工事、タイル工事、塗装工事と人の手が出来を左右すると書きました。
建築家との家創りも全く同じです。自由がゆえ、互いの考え方がその成否に大きく影響を与えます。
それらをリスクと呼ぶのか、可能性と呼ぶのか。
「可能性」と思った人とだけ仕事をすることになるので、クライアントは皆ポジティブな人ばかり。
課題、問題ももちろん噴出してきますが、基本、現場打合せは楽しいものです。
それは可能性に満ちているからに他ならないのです。
文責:守谷 昌紀
◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...