永住したい「平野西アパートメントハウス」‐2‐型枠講座
2017年4月3日
永住したい「平野西アパートメントハウス」‐2‐型枠講座
↑公式ブログへリンクしています。
基礎が打設され、壁の型枠工事が始まりました。
鉄筋コンクリートの建物は、硬いプリンをつくるようなものです。
型枠とはプリンを入れるカップのようなものと考えると分かりやすいでしょうか。
躯体が出来あがっていく流れを簡単に説明してみます。
鉄筋コンクリートは、文字通り中に鉄筋が入っているので、内側の型枠でカップを塞いでしまう前に鉄筋を組み上げていきます。
難易度が高いのが、窓や庇などの部分。
特に庇は、カップに穴があいているような状態になっています。
プリンの原液を流し込むと、当然その穴から噴き出してきます。
コンクリートが時間とともに硬化する性質を利用して、噴き出してくるコンクリートをコテで押さえ付けるのです。
いかに手作りなプリンかが分かってもらえるでしょうか。
また、コンクリートはプリント違って、かなりの重さがあります。
その側圧に耐えるため、型枠は鋼管で支えられています。
正しい壁の厚みを保持するため、プリンの中ではセパレーターという鉄の棒によって、内外の型枠が固定されるのです。
横60cm、建て45cmで、このセパレーターをレイアウトしています。
完全に硬化が終わったあと、型枠を外した段階では、セパレーターの先端の白い樹脂部分が、コンクリートに埋まった状態で残っています。
この部分をPコーン(通称ピーコン)といいます。
樹脂性になっているのは、後でコンクリート内から取り出しやすいからです。
外部においては、このPコン跡のくぼみは雨漏りの原因になるので、モルタルで埋めてしまいます。
外壁から5mmの面落ちで仕上げますが、パネルの継ぎ目とこのわずかな陰影が、コンクリート打ち放しの表情を決定付けるのです。
建築設計と料理は本当に似ていると思います。
コンクリトー打放しは、手作りプリンとかなり近しいのです。
文責:守谷 昌紀
◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
- 前の記事:壁は扉に変わらない‐1366‐
- 次の記事:2度目の人生‐1368‐
株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...