数字と心の微妙な関係‐1471‐
2018年4月10日
数字と心の微妙な関係‐1471‐
誰もがふれたくなる、大谷翔平選手の活躍です。
高校をでて5年間、日本のプロ野球では前人未踏の2桁勝利、20本塁打という結果をだし、昨冬アメリカへ。
高校時代よりメジャー挑戦を表明していましたが、二刀流を容認、支持した日本ハムファイターズに入団しました。
その際は、甘いルックスもあってか、才能は溢れるが意思の弱い若者なのかなと思っていました。
メジャー初打席で初球を安打。初登板初勝利。2試合目でホームラン、3安打も驚きましたが、2戦連発とは。
「お見それしました」としか言いようがありません。
流石はイチローをして、世界一の才能と言わしめた選手です。
野球少年だった私にとって、伝記で読んだ名選手、ベーブ・ルースを超える選手を、実際みれるかもしれないことに心躍るのです。
3月に立ち寄った南禅寺には国宝「方丈」があります。
妻面にある入口をくぐり、左へ曲がると方丈庭園が見えてきます。
江戸時代前期に活躍した茶人、小堀遠州作と言われています。
最小の素材で表現をする枯山水の庭園ですが、中でも彼の作風は「きれい寂び」と言われます。
庭に「空間」という概念を持ち込んでいるのがよく分かります。
廊下を進むとこちらも国宝の小方丈があります。
その前に広がる小方丈庭園は、別名「如心庭」。字の如く「心」字型に庭石が配置されています。
柴山全慶老子が、「心を表現せよ」と熱心に指導したそうです。
裏へ回ると、更に庭園が続きます。
竹と荻で構成された垣は「南禅寺垣」と呼ぶそう。
人の心を動かすため、足を運んで貰うために、常に創意工夫を重ね続けてきた手跡が見えるのです。
先のピョンチャンオリンピックでは、スノーボードとアルペンスキーで2つの金メダルを獲得した選手が現れました。
チェコのエステル・レデツカ選手ですが、アルペンスキーをしていた私としては、両種目オリンピック出場だけでも想像を超えているのに、2つの金メダルとは……絶句したのです。
大谷選手のファイターズ入団時、日本球界で名選手だった多くのご意見番が、二刀流に対して懐疑的な見解をだしました。
伝説的な名選手ばかりですからアドバイスは聞くべきだと思いますし、プロの世界は甘くないという論調も十分理解できます。
その中に、「どっちつかずになるのでは」というものがありました。
1日24時間、1年365日はみな平等です。その限られた時間の中で、投手の練習も、打者の練習も精一杯やれば、どっちつかずという表現は合っていないかもしれません。
投手に打ち込めば、200勝以上できるかもしれません。
打者に絞れば、700本以上のホームランを打てるかもしれません。
しかし、それは「数字」というものに重きを置いた視点だと言えます。
人生において最も大切な、幸せや充実は心が決めます。
自身の充実や、観客の感激にフォーカスするなら、大谷選手の選択は、極めて当たり前のものとも言えます。
ピッチャーだけしか、打者だけしかやってはいけないと言われたら、多くの少年は野球を辞めるでしょう。
その選択を100年もの間、トップアスリートたちがしていなかったことになります。
いくら仕事が充実しているからといって、給料を払えない会社に入ってくれる社員は居ません。
よって、普遍的価値を生む数字もとても大切です。
それでも、数字を越えたところへ行ききってしまった、大谷選手をみると、新たな勇気が湧いてきます。
体は大変でしょうが、少しでも長く頑張って欲しいと思います。
100年に一度のスーパースターを観ることで、やはり心に従いたいと思えるのです。
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...