讃岐うどんの名店Ⅶ、そこまでセルフ‐1513‐
2018年8月31日
讃岐うどんの名店Ⅶ、そこまでセルフ‐1513‐
前回、香川での墓参りを終えたところまで書きました。
昼食のため、快晴の讃岐平野を移動します。
地元では「讃岐富士」と呼ばれる飯野山(いいのやま)。
まさにオニギリをポンと置いたようなフォルムです。
その脇を、申し訳程度に流れるのが土器川。
香川で唯一の一級河川ですが、年に200日も水の流れない日があると、ブラタモリでも紹介されていました。
その土手を超えたところに、「釜たま」の名店「なかむら」があります。(「釜たま」は、釜揚げうどん+たまごの意味)
映画等にも登場するこの店を伝説としたのは、味は勿論として、「そこまでセルフ」というストーリーです。
自分でダシを入れる、麺を温めるのは勿論、畑にネギを抜きに行き、自分で切っていたそう。
人手不足でそうせざるを得なかったそうですが、更なる繁盛店になり、そのサービス?は現在なくなってしまったのです。
この日は11時半頃の到着で、15人待ち程度。
思ったほど混んでいませんでした。
私は「釜たま」の特大に、もう1つ卵を追加。
卵は自分で軽く混ぜ、ゆであがりを待ちます。
レジで自己申告するのですが、天ぷら2つを加えて700円くらいだったでしょうか。
店内は清潔で広め。
気候がよければ屋外席も気持ちよさそうです。
この日はとても暑く、子供たちは冷やしうどんやぶっかけうどんを頼んでいました。
麺は細目で、いわゆる讃岐うどんほど腰はありません。
「長田」もそうでしたが、釜あげの名店は、麺がモッチリしている傾向にあります。
熱い麺と卵を混ぜると、半熟のような状態になります。そこにうどん醤油をくるっと掛けて頂きます。
特大は3玉入っていますが、のど越しが良く、いくらでも入って行く感じ。
ねぎ、しょうが、ごまで味を変えながら楽しみました。
子供達もみな大や特大を完食。その事実がこの店の味を雄弁に語っています。
大変美味しゅうございました。
昼頃になると、続々と車も増えてきました。
あっという間に行列が伸びていきます。
この長さなら1時間半くらいは掛かるでしょうか。
帰り際、主人か若主人だろうと思い、少し話を聞いてみました。
最近では良く混んでいるほうだそうです。
「じゃあ今日は、良い日になったね」と言うと笑っていました。
飲食、観光という産業は、難しいものだと思います。
多くの人が常時訪れれば、天狗になるからか疲弊からか、客を雑に扱う店が増えてきます。
しかしそんな応対を受けたことを人は忘れません。いずれその店、観光地は衰退して行きます。
そうなってから、過去の栄光を取り戻すのは難しいでしょう。
美味しいから繁盛する。それは素晴らしいことですが、また違った意味での試練がまっているのです。
経営の神様、松下幸之助はこんなことを言っていたと思います。
「失敗は、成功への過程。成功は、失敗の要因が蓄積している状態にすぎない」
成功もまた試練。仕事とは終わりのない成長ゲームと言えるのです。
しかし、このサービス過多の時代に、「なかむら」が支持されるのは面白いところです。私は、お客さん扱いで遠ざけられるより、もう少し立ち入ってみたいので「なかむら派」なのかもしれません。
最後に、讃岐うどんの名店も整理しておきます。あくまで「私の」なので、雰囲気、混み具合等も合せてⅠの「やまうち」を推しておきます。
讃岐うどんの名店Ⅰ ひやあつの「やまうち」
讃岐うどんの名店Ⅱ 元祖ぶっかけの「山下」
讃岐うどんの名店Ⅲ 釜揚げの「長田」
讃岐うどんの名店Ⅳ 元祖しょうゆうどんの「小懸屋」
讃岐うどんの名店Ⅴ 純手打ちうどん「 よしや」
讃岐うどんの名店Ⅵ かまたまの「山越えうどん」
讃岐うどんの名店Ⅶ そこまでセルフの「なかむら」
■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
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株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...