成功を恐れない‐1528‐

2018年10月24日


成功を恐れない‐1528‐



 日曜日に中2の長男が居るのは珍しいのですが、聞けば定期考査中とのこと。

 どうせ大して勉強しないので、昼食がてら河南町へドライブに出掛けました。



 街路樹の中には、色づき始めた樹々もちらほら。



 このあたりまで来ると、かなり緑が濃くなってきます。



 20年振りに、近つ飛鳥博物館にやってきました。

 河南町、太子町にまたがり、古墳時代・飛鳥時代を専門に扱った博物館です。



 1994年の完成で、設計は安藤忠雄。

 彼が乗りに乗っていた時代の作品と言ってよいでしょう。

 何と言っても特徴は、この連続する階段と極めてシンプルな搭状のキューブです。



 階段向かって右からアプローチするとエントランスが見えてきます。



 コンクリート打ち放しの柱と梁に、大きなガラス開口。



 多くの建築をみてきましたが、これほど作風を変えない建築家は稀だと思います。



 最も大きな展示空間には、仁徳天皇陵の模型がありました。

 その奥にある少し暗い空間は、あのキューブの真下にあたります。



 そこには巨大な修羅が展示されているのですが、この部分が「地震により立ち入り禁止」となっていました。



 見上げると内部は空洞。巨大な吹抜けなのです。

 普段は明るいのか、このままなのか分かりませんが、コンクリートの一部に剥がれでもあったのかもしれません。



 博物館、美術館へ行こうというと、子供達は「え~、また~」と嫌がるので、あくまで目的は昼食。



 来たら来たで、楽しんで帰るのですが、子供心は難しいものです。



 立ち入り禁止となっていたのはこのキューブの下。

 これだけ巨大な吹抜け空間が、必要なのかと聞かれれば、おそらく答えは無いと思います。

 しかし、ドラマティックなのは確かです。

 建築家・安藤忠雄は、70年代から現在に至るまでトップランナーであり続けています。

 77歳となった今でも、建築家と言えば安藤を上げる人は多いでしょう。

 建築家だけに関わらず、多くの成功者を見て思うのですが、「成功を恐れていない」と感じます。

 「失敗を恐れるな」とよく言いますが、本当に難しいのは前者のような気がします。

 失敗しないこと=成功、とはなりません。ここには大きな違いがあると思うのです。

 もっと言えば、「恐れ」という概念が無いのかもしれません。

 コンクリート打ち放しは安藤建築の代名詞です。その手法を学ばせて貰い、表現として使わせて貰いました。

 しかし、真似レベルでは終わっていないつもりです。

 日本のコンクリート打ち放しの文化は、私が守りますので、安心して最後まで走り切って下さい。

 同業なので、「凄い」とばかりは言っていられません。絶対超えて見せると決意するしかないのです。


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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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株式会社一級建築士事務所アトリエm

プロフィール

株式会社一級建築士事務所アトリエm

夢は必ず実現する、してみせる。

一級建築士  守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...

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