「住吉区歯科医師会館」‐8‐そして開館
2019年5月24日
「住吉区歯科医師会館」‐8‐そして開館
昨年の2月にスタートしたこの計画も、ようやく引渡しを迎えました。
エントランス上のロゴも入りましたが、今週末にはお披露目の公演会が開催されます。
「虫歯の鳥などいないのでは」という多少コミカルなコンセプトでプレゼンテーションをしました。
14社のコンペと聞いていましたが、他社のことを気にしていても仕方がありません。
歯科医師会から選ばれた「会館建設委員会」のみなさんはすんなりと受け入れてくれました。
そういう意味では、正面にあるくちばし状の庇は、この館を誕生させてくれた原動力でもあるのです。
建築は機能を持っています。
機能あるものを少しでも美しくすることだけが、私の使命です。
階段は特に集中してデザイン、監理をしました。
委員会のある方が、この景色を見て「教会みたいだね」と言ってくれました。
創り手としてはとても嬉しいコメントなのです。
作家のmarianeさんと苦労して取りつけた作品は、大会議室の右奥にあります。
この場所に導かれてきたかのように、ピタリと納まっています。
光はその場所を神聖なものにしてくれる力を持っているのです。
作品には銀箔が貼られているところがあります。
その部分が、光の変化を刻々と映します。
そういう意味でも自然光が照らすこの場所を、大変気にいってくれました。
ホールから2階に上がるとオフィスフロアになっています。
ガラスの手摺は、2階からの光を遮りません。
最も階段寄りにあるのが会長室兼応接室。
そして光庭を囲むように、事務所、小会議室が並びます。
4月10日(火)午後8時からのプレゼンテーション時に提出したパースです。
そのパースと寸分違わずとは言いませんが、軸はぶれていないと思います。
むしろ、実物の方が美しいかもしれませんと言えば、厚かましいでしょうか。
100名近い歯科医師が在籍する歯科医師会ですので、全員の方々が喜んで下さるかは分かりません。
同じクライアントと2度仕事をすることは極めて稀なこの仕事において、一期一会の精神で取り組んできたつもりではあります。
創り続けることだけが私の仕事です。
イノベーション等の言葉とは程遠い、この原始的な仕事がやはり好きなんだと改めて思うのです。
文責:守谷 昌紀
株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...