松原/脳神経外科「うえだクリニック」‐11‐決戦は火曜日
2019年9月24日
松原/脳神経外科「うえだクリニック」‐11‐決戦は火曜日
毎回のことですが、人は何と弱い生き物なのかと思います。
クリニックの移転オープンが9月24日(火)というのは、何ヶ月も前から決まっていたことです。
建築は法的なチェックを受けなければ使用できません。
消防検査をクリアしたのが、20日(金)の2:30pm。その報告を聞いて建築確認申請の審査機関へ直行しました。
担当者が渋滞に巻き込まれたとのことで、実際に完了検査済証を手にした時には、すっかり日が暮れていました。
月曜日は祝日なので、どこかで30分遅れていれば、24日(火)8:30amのオープンには敵わなかったことになります。
「なんとかなる」ではなく「なんとかする」が仕事の本質ですが、考えれば考える程ぞっとします。
とは言え、ひとつ大きなハードルを越えました。
昨日は診療時間を示すサインも出来上がっていました。
コーポレートシンボルのデザインも、仕事として引き受けますが、今回は院長のデザインです。
普通は素人っぽさが透けてみえるものですが、たたき台から良い感じで「これで行きましょう」となりました。
フォルムや色感には少し手をいれましたが、とても良いアイコンだと思います。
「うえだ」のuを囲むCは「クリニック」を示しますが、脳をイメージしたものとのこと。
ストーリーがしっかりしていると、より活き活きとしてくるのです。
まだ予断を許さない部分もありますが、吹抜けを備えた待合も形になってきました。
工事が遅れた分、院長には迷惑をお掛けしています。
先週土曜日から出ずっぱりで、準備、システムの構築と休む間がありません。
看護師の方も、休む間もなく動き回っておられますが「こうしていないと落ち着かないんです」と。
これは受付と診察室1を繋ぐカルテパスと言われる部分。診療における動脈のような、重要な部分です。
既製品のカルテ棚との隙間は20mmで設計しましたが、実際の残りは5mmほどでしょうか。
この消えた15mmを読み解くのが経験なのです。
2階は全てスタッフ専用のエリア。
廊下にそって、キッチン、スタッフルーム、トレーニングルームと並びます。
待合上部にあるハイサイドから漏れてくる光が、この廊下をただの暗い通路ではないものにしています。
「2度おいしい」をいつも心掛けているのです。
キッチンは1.65m。
大きくはありませんが、簡単な昼食をつくるには十分なサイズです。
隣に繋がるのはスタッフルーム。
さらにトレーニングルームもあります。
トレッドミルが届いていました。
昼休みにジョギングに出るスタッフも居られるとのこと。
その意識の高さには頭が下がる思いですが、奥にはシャワー室も備えています。
院長以外は全て女性の仕事場ですから、スタッフ専用トイレの洗面は大きめにしました。
前クリニックは、いわゆる「ビル診」で、こういった設備を充実させることが出来なかったのです。
これらは、全て院長からスタッフへの心遣いなのです。
院長、スタッフの方々と共に、最も迷惑を掛けてしまったのが、MRIやCTを納入している医療機器メーカーの方達です。
予定をずらして貰い、前日の23日(祝・月)のまでは、確実に調整に入るとのことでした。
法のチェックだけでなく、まさに時間との勝負です。
ベッドが入り、採血・点滴室も体裁が整ってきました。
診察室2、通称「2診」はほぼ準備OKでしょうか。
「1診」はまだまだごった返していたので、今回の掲載は見合わせます(笑)
ベッドは前クリニックからの転用ですが、院長が好きな春先の若葉のをイメージして選んだとのこと。
その中に、ポツポツと山桜が咲く景色が好きだと聞いていました。
それで、コーポレートシンボルは、淡い緑と、濃いピンクの組み合わせとしました。
9月24日(火)の8:30amにオープンするのですが、患者さんと戦う訳では全くありません。
今から私にできることはほぼないのですが、「決戦は火曜日」という気分です。
院長が好きな山桜のように、ポツポツと花開くと一番よいのですが、いきなり満開となる可能性もあります。
朝一番、のぞきに行こうと思っているのです。
文責:守谷 昌紀
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...