ヒデキ&越川「最旬!ヨーロッパインテリアトレンドセミナー2017 」

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世の中には「流行」「トレンド」というものが存在します。
衣食住もそうですし、芸能、カルチャー、様々な分野において、それぞれに「トレンド」はありますでしょう?
インテリアのトレンドはどこから来るのかというと、それはやはり、ヨーロッパからスタートするんですね。
大きな大きな展示会が開催されるのですが、そこで繰り広げられる各ブランドの出展内容を見れば「いまこんな傾向なんだな」「こういう柄が来てるんだな」「今年はこの色なんだな」というトレンドを知ることが出来ます。それがメーカーを通して、あるいは商社を通して、あるいは個々のデザイナーが持ち帰り、じわりと日本の市場にも浸透していきます。

先日パリとドイツで、インテリアの大きな展示会がありました。
私の知人も含め、多くの人が現地に視察に行っています。今の時期はその「視察報告会」や「トレンドセミナー」が開催されはじめインテリア業界はわさわさと活気づいています。
山のようにいろんな方が現地に行ってますし、それぞれがそれぞれの視点で「トレンドセミナー」を行っています。
私のように、現地に行かなかった人間は、そういうセミナーを聞いて「ふんふん、なるほど」と情報を仕入れておくわけですが、多くの人が開催するセミナーを 全部全部を聴講するのは不可能ですから、「この人!」と決めたところでお話を聞くのが良いだろうと思います。
私の場合はこのお二人、「西垣ヒデキ越川洋平」コンビのトレンドセミナーを毎年追いかけることにしています。

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牧場のソフトクリームのような濃厚な内容のセミナー、今回もたくさんの情報のシャワーを浴びましたよ。
人々の欲求は、今、モノには向かっていません。
心とか、健康とか、そういう方向に私たちの欲求は舵を切りはじめています。
そんなことを踏まえながら、と、お話はスタートしていきます。

例えば。

トレンドを語るうえで「ナチュラル」というのは外せないキーワードで、ぶっちゃけもう「毎年」出てくる。
けれど、じゃぁ毎年おんなじナチュラルなのかというとそうではなくて去年のナチュラルと今年のナチュラルは違うといいます。
麻・リネン・ウールなど素材感で表現していたのが去年までの「ナチュラル」トレンドでした。
あえて化学繊維でケミカル感のある素材を使い、デザインで「ナチュラル」を表現するのが2017年風になるんだそうです。

リネン素材使ってるからイコールこれナチュラルでまとめたコーディネートですよね~はもう古い古い!ってなっていくわけです。
(トレンドを追いかけ続けるのもシンドイですけどw)

「ナチュラル」とか「エコ」とか「自然素材」なんてのは、近年ずっとキーワードに常駐している言葉です。

でも例えば。
サバンナに行って獣を銃でバーンって仕留めて、皮をはいで、革製品にしましたー、どうこの素敵なレザー!っていう「天然素材」よりもさ、化学繊維でさ自然を感じさせる柄とかデザイン作っちゃった方がさ、そっちのほうがよっぽどエコなんじゃないの、そっちのほうがナチュラルって言えるんじゃないのっていう、解釈の仕方が変わっていく。
そうやって、少しづつ少しづつ、同じ「ナチュラル」という言葉を使っていてもトレンドの中身は移り変わっていきます。

あるいは、これも近年ずっとキーワードに含まれている「アフリカ」という国。民族的なもの、トライバルなもの、アフリカンの装飾品、儀式に使うようなもの、そういったものからインスピレーションを得たものがいつもデザイントレンドのどこかにひっかかっています。それは今まではあくまでもデザインソースとしてのアフリカだったわけですが、あるブランドはモロッコやケニアやセネガルなど現地に工場を持ってって実際にそこで住んでいる人に職場を与え、アフリカにちゃんとお金が落ちるようにした。そういう背景、企業の姿勢を含めて「アフリカ」を2017のトレンドとして語ることが出来ます。

そんなお話がやまのように詰まっているのが「ヒデキ&越川」のお二人が繰り広げるトレンドセミナーなのです。
ただ単に
「パイナップル柄がいっぱいありましたのでトロピカルなものが流行りますね」
「ジオメトリック柄がいっぱいありましたので今年も幾何学は人気でしょうね」
「今年の流行色はどうやらウィローグリーン(淡い緑)とピンクですよ」
「花柄はめっちゃ減りましたよ」
「ベルベッド、カットベルベッド、きてますよ」
なんていうふうに、うわべの印象を追いかけるだけの説明で終わらせることはありません。
なぜパイナップル柄なのか、なぜその傾向になったのか。
背景にあるものを読み解いて私たちの目の前にわかりやすく並べてくれるのが、このお二人のセミナーの魅力です。

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さてこの画像、展示会場で見かけた「カクテルマシーン」なんだそうです。
ホテルに導入されているものなんだそうですが、これがすごいの。AI(人工知能)が作ってくれるカクテルマシーン。
ホテルに宿泊予約をするでしょう?ミヤケリカですって名前を伝えるわけでしょう?そうするとこのAIが自動的にネットなどを徘徊しミヤケリカさんのツイッターやブログなんかを検索したりして好みを探り出しておいて、チェックインした際には「私の好きそうな配合のカクテル」を自動的に振舞ってくれるっていうんです。もうそういうサービスが定着してくる時代。

すごいよねー!

って言った後に、ヒデキさんはこう付け足していました。
だから、僕たちはそれのさらに裏をやらなきゃダメなんだろうと思いますよ。
AIが探れない、客の好みの本質をさぐる作業。


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サイレンス。「静寂をとらえる家具」に座る、おちゃめなヒデキさん。
この家具めっちゃバランスが悪くてこの写真撮ったあと、僕、後ろにひっくり返ったんですよ、っていうエピソードつき。

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ジオメトリック(幾何学)は相変わらずのトレンドだけど、とくに2017はヘキサゴン(六角形)

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こちらもジオメトリックの一種、田園風景を空から眺めたのがデザインモチーフになったという、サンダーソンのファブリック。
ジオメトリックは古代からあるし、日本でも「麻の葉」とか「青海波」とかね、文様はたいていジオメトリックだったりするわけですが、そういう伝統的なデザインをアップサイクルさせて垢抜けさせていってるんだよねとか。

とかとかとか。
とかとかとか。

たっくさんのスライドを用意してくださっていたので、楽しみながらお勉強させていただきました。
「ヒデキ&越川」のセミナーは、「あー、その言葉、打合せで使いたい♪」と思えるおしゃれなワードがいっぱい出てきます。
それも楽しみのひとつ。

□デザインのアップサイクル
□ネットワーキングパターン
□予定調和にないランダムなもの
□僕たちはラグジュアリーに向かっていく
□水面のリフレクション
□ナルシシズムを満足させる究極のホスピタリティ
□こってりとしたむせかえるような南国感
□夜に向かっていく高揚感

あーん、もう、これ以上は内緒(笑)
企業秘密!

お二人のトレンドセミナーは、先日のこの東京を皮切りとして、3月から4月にかけてこれから日本全国を行脚して回られます。
仙台、名古屋、高松、大阪、福岡。
スケジュールの詳細は越川さんのサイトにてご確認ください。
全国のICさん、必聴のセミナーです。

2017のインテリアトレンドを知りたい人はぜひ「ヒデキ&越川」のお二人から直接お聞きください♪
私は書きませんので(笑)

セミナーの後半は、森さんの「パリのホテル視察」報告がありました。
これは後日改めて!

プロフィール

三宅 利佳(ジェイブルー)

インテリアコーディネート事務所 ジェイブルー

●インテリアコーディネーター  980877A
●2級建築士
●AFT色彩検定 1級

美しく暮らすにはそれなりの努力が必要です。
例えば掃除、整理整頓、時々の模様替えや花を活けなおしたり・・・。

どうせすぐ使うから
どうせすぐ汚すから

そう言ってやりっぱなし出しっぱなし汚しっぱなしの生活は
確かに面倒がなくて便利ですが
便利ばかりを追求していてはあっというまに雑多な空間になります。

美しい部屋、居心地の良い部屋というのは
日々手をかけ続ける面倒臭さを内包しています。
でも、そのことを放棄しないでください。

部屋は人の心を表すと思いませんか。

インテリアコーディネーターがお手伝いできるのはほんの最初の舞台づくりだけ。

「こうありたい理想の自分」を思い描いて
ぜひ素敵な住空間を維持してください。
それが、生き方にもつながるのだろうと思います。

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