松虫の長屋」‐11‐写真撮影そしてエピローグ
2015年11月9日
「松虫の長屋」‐11‐写真撮影そしてエピローグ
【Events】
■12月12日(土) 2:00pm~4:00pm 天六・住まいの情報センター5Fにて セミナー開催「○○と一緒に暮らす」
11月3日は文化の日。「松虫の長屋」の写真撮影でした。
前日は久し振りの雨でしたが、雲1つない青空が広がりました。
とは言え、天気はきまぐれ。
撮影は早目、早目が鉄則です。
屋根上にある月見台から、北に望むあべのハルカス。
晴れと曇りでは、全く違う景色になります。撮影の時ほど、晴れが嬉しい日はありません。
月見台から光庭を降りていくと、ダイニングにつながります。
この計画は、四軒長屋の中央二軒のリノベーション。この部分は屋内でした。
ここを減築し、光と風を取り込こむという提案をしたのです。
これを面白がってくれるクライアントと、それにトライしようという施工会社がなければ、実現することはありませんでした。
もと界壁だった壁にも開口をあけ、ロフト部にある子供部屋とLDKが繋がります。
撮影の間、人物無しのカットを撮る際は、ここで待機して貰います。
それらを繋ぐクライミングウォールは、夫妻の友人も時々登るそう。
それより、玩具が広がっても気にならない。かつ目は届くロフトを、お母さん友達は評価してくれるとのことでした。
「こうしておけば良かった、というところは無いんです」と言って貰いました。
人物ありのカットは、調理から食事までの撮影です。
写真なのにという事無かれ。
演技ではなく、本当であることが大事なのです。
作っている間にお腹一杯になってしまうかもしれませんが。
「子供に手伝って貰ってもいいですか」というのは、奥さんのアイデアでした。
こちらのご家族は、暮らしを楽しもうという気持ちがよく伝わってくるのです。
一緒に住む、ご主人のお母さんにも入っていただき、食事の風景も撮影しました。
これで午前の部は終了。
日没後、更に夕景を2カット撮り、この日の撮影は終了しました。
写真が上がってくるのは3週間後。楽しみですが、間違いのない出来だと確信しています。
昼食のおにぎりの上に乗っていた海苔は、恐竜の形をしていました。福井の恐竜博物館で買った、抜き型だそうです。
計画のスタートは2013年の秋。
鍼灸整骨院を経営する忙しい中、夜の打合せがほとんどで、お子さんのお弁当を持って来られた事がありました。
その海苔も、このような抜き型だったのだと分りました。
暮らしを楽しむ。人生を楽しむ。それは、何かが無ければ出来ないものではありません。
物創りを生業としている私が言うのも変ですが、物がなくても意思があれば十分だと思うのです。
「今まではあまり友人を呼ぶことが無かったのですが、4家族までは行けますよ」という言葉に、自分達の存在価値を見出すのですが。
日々の暮らしに、ささやかな喜びを付加できたらなら。それが私達の仕事です。
この撮影で計画はひと区切りです。ここまで要した時間は2年。振り返ってみればあっと言う間でした。
次回はおそらくメディアの取材時だと思っているのです。
文責:守谷 昌紀
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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株式会社一級建築士事務所アトリエm
夢は必ず実現する、してみせる。
一級建築士 守谷 昌紀 (モリタニ マサキ) 1970年 大阪市平野区生れ 1989年 私立高槻高校卒業 1994年 近畿大学理工学部建築学科卒業 1996年 設計事務所勤務後 アトリエmを設立 2015年 株式会...